最新のマーケティングトレンドを知って、自社の事業やマーケティングに役立てたいと思っている経営者や管理職の方も多いのではないでしょうか。
そんな中「デジタルマーケティング」という言葉を目にした方もいるかもしれません。デジタルマーケティングとは、インターネットやデジタルデバイスを利用して製品やサービスを宣伝し、顧客とコミュニケーションも取れる販売手法です。
デジタルマーケティングを活用することで、ターゲットとする顧客層にアプローチしやすくなり、ブランドの認知度や顧客エンゲージメントを促進し、売上につなげるといったメリットがあります。
本記事では、最新のデジタルマーケティングトレンドについてや、具体的な活用法についても解説していきます。
Q.2024年のデジタルマーケティングトレンドとは?
最新のデジタルマーケティングのトレンドには何があるのでしょうか。デジタルマーケティングには大きく以下の4つがあげられます。
- AIによる自動生成技術
- トータルエクスペリエンス(TX)の提供
- リアルタイムマーケティングの導入
- ビッグデータの活用
詳しく解説していきます。
A①.AIによる自動生成技術
デジタルマーケティングで大きな潮流となっているのが、AI(人工知能)による自動生成技術の活用です。AIの活用には、以下のメリットがあります。
- 自然言語処理(NLP)技術を駆使し、高品質な文章を短時間で生成
- ターゲットのニーズや行動パターンをリアルタイムで分析
- パーソナライズされたコンテンツの提供
AIによる自動生成技術を活用すると、SNSやメールマガジンなどのコンテンツが短時間で大量に作成できるようになります。
また、顧客のニーズや行動パターンの分析がAIで可能になるため、マーケティング担当者はコンテンツ制作に費やす時間を大幅に削減できます。削減した時間で戦略の立案やデータ分析といった、より付加価値の高い業務にシフトできるのです。
さらに、パーソナライズされたコンテンツの提供が可能になるため、顧客エンゲージメントが向上し、コンバージョン率アップも期待できます。
A②.トータルエクスペリエンス(TX)の提供
トータルエクスペリエンスとは「顧客が製品やサービスを利用する際の全体的な体験」を指す概念です。
製品やサービスの品質だけでなく、購入前の情報収集・購入プロセス・利用時のサポート・アフターサービスなど、顧客が接するであろうあらゆる要素がトータルエクスペリエンスに含まれます。
例えば、顧客がオンラインショッピングで商品を購入し、アフターサポートを受けられるようにするためのプラットフォームの設置も、トータルエクスペリエンスを提供した事例です。
A③.リアルタイムマーケティングの導入
リアルタイムマーケティングとは「顧客が情報を求めているタイミングで情報を発信したり、コミュニケーションを取ったりしながら広告効果を高める手法」です。
例えば、SNS上のトレンドを素早く拾うことで、ブランドの認知度アップやセールスの促進が可能となります。
A④.ビッグデータの活用
ビッグデータを活用すると、人間では難しい膨大な量のデータを収集してくれるため、顧客の行動や嗜好を正確に把握でき、ターゲットに最適なメッセージが送れます。
例えば、オンラインショッピングサイト「楽天」におけるビッグデータの活用事例についてです。
楽天では、ターゲティング広告にリアル性を加味したデータベースシステムにより、多種多様な会員データを所有しています。
数千万人に及ぶ会員の属性や購入履歴・ポイントの利用状況などを分析し、会員にマッチした広告配信をしています。サイトを見ている人に対して、過去の購入履歴や閲覧履歴、クリック履歴などをもとにおすすめ商品を表示します。
このようにビッグデータの活用で、クリック率や購買率が数倍に上昇したというのが成功例の1つです(参考:総務省:第1節「スマート革命 ICTのパラダイム転換(3)ビッグデータの活用事例」)。
ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させる
ユーザーエクスペリエンスとは「顧客が商品やサービスを通じて得られる体験」を指します。使ってみて良かったという感想だけでなく、使いやすかったという品質に関することもユーザーエクスペリエンスに含まれます。
ユーザーエクスペリエンスを向上させるメリットは、主に以下の2つです。
- ブランド力向上に役立つ
- SEO対策が期待できる
1つずつ解説していきます。
ブランド力アップ
ユーザーエクスペリエンスが向上すると、ブランド力のアップにもつながります。特にストーリーテリングといわれる顧客を惹きつける情報や、ビジュアルコンテンツといわれる視覚的に訴える動画が効果的です。
企業はこのストーリーテリングやビジュアルコンテンツの活用で、顧客とのつながりを強めることができます。
このような一貫したブランディングは、ブランドの信頼性と認知度を高めるためにも重要です。
SEO対策に有効
デジタルマーケティングにおいて、ユーザーエクスペリエンスを向上させると、SEO対策にも効果的です。
検索エンジンのアルゴリズムが日々進化する中で、高品質なコンテンツの提供やユーザーエクスペリエンスの向上は必須です。
カスタマーエクスペリエンス(CX)を意識する
カスタマーエクスペリエンスとは「商品やサービスを利用した際の顧客目線での価値」を指します。
例えば、オンラインショップで洋服を買う例で説明してみましょう。顧客は、ウェブサイトの使いやすさや商品の検索のしやすさ・購入手続きのスムーズさなどに価値を感じます。
さらに、注文した商品が迅速に届けられたり、商品が期待通りであったりした場合、顧客満足度はさらに高まります。
もしサイズが合わなかったとしても簡単に返品や交換ができる仕組みが整っていれば、顧客の評価は高まり、リピート購入にもつながるでしょう。
このようにカスタマーエクスペリエンスを向上させるメリットは、主に以下の2つのメリットがあります。
- 顧客満足度の向上が期待
- リピーターの獲得
1つずつ解説していきます。
顧客満足度の向上
顧客満足度の向上に役立つのが、パーソナライゼーション技術の進化です。パーソナライゼーション技術の進化により、顧客一人ひとりのニーズや好みにマッチしたコンテンツの提供が可能となります。
また、チャットボットやAIツールといった技術の活用も迅速なサポート対応につながり、顧客体験を向上させます。
リピーターの獲得
顧客データを活用したパーソナライゼーションにより、一人ひとりの顧客に合った特典や情報の提供が可能です。一人ひとりに合った情報の提供で、顧客は欲しい情報が手に入り、リピートしたいという感情が生まれます。
SNSの活用もおすすめ
デジタルマーケティングでは、SNSの活用もおすすめです。理由として、以下の3つがあげられます。
- 費用を抑えて手軽に始められる
- ブランドの認知度がアップする
- 幅広い顧客とのエンゲージメントが向上する
1つずつ解説していきます。
費用を抑えて手軽に始められる
SNSの活用をおすすめする理由の1つ目は、費用を抑えて手軽に始められるからです。
InstagramやTikTok、YouTubeなどのコンテンツは、費用を抑えて手軽に始められる広告宣伝ツールとして人気です。初期コストがほとんどかからず無料でアカウント開設できるのがメリットで、視覚に訴えるコンテンツが発信できます。
特に、ショート動画やリールは従来の動画と比べて短時間で視聴できるため、隙間時間に気軽に楽しめると人気です。
ブランドの認知度がアップ
SNSの活用をおすすめする理由の2つ目は、ブランドの認知度がアップするからです。
InstagramやTikTok、YouTubeなどのコンテンツを通して、ターゲット層に効果的にアプローチすることができます。
例えば、ある世代に人気のインフルエンサーを活用することで、より魅力的なストーリーが展開でき、顧客の購買意欲を高めます。
顧客とのエンゲージメントが向上
SNSの活用をおすすめする理由の3つ目は、幅広い顧客とのエンゲージメントが向上するからです。
InstagramやYouTubeなどのコンテンツではライブ機能があり、リアルタイムで顧客とコミュニケーションが可能です。
リアルタイムでつながるため、顧客の質問にタイムリーに回答することができ、その場で疑問や不安を解消します。
デジタルマーケティングにおけるSDGsへの取り組みとは?
デジタルマーケティングでは、SDGsに基づいた持続可能な活動も求められています。企業における持続可能な活動として、主に以下の2つがあげられます。
- サスティナビリティに配慮
- 消費者を裏切らない
1つずつ解説していきます。
サスティナビリティに配慮
環境意識の高まりに伴い、企業は持続可能なビジネスモデルやエコフレンドリーな製品・サービスをアピールすることで、顧客の共感を得られます。
現代の消費者は、環境への配慮の高まりから、自然環境保護やサステナブルな商品を歓迎する傾向があるからです。
例えば、不要になった衣類を回収し、新しい素材や製品を生み出すのもサスティナビリティに対する取り組みの1つです。
消費者を裏切らない
顧客に対する透明性と信頼性を重んじたり、誠実なコミュニケーションを取ったりすることは顧客との信頼関係を強化します。
現代の消費者は、目先の利益を追う企業ではなく、顧客目線や持続可能な事業を行なう企業を応援したいという意識が高まっているからです。
例えば、製品やサービスに関する正確な情報提供や、迅速かつ丁寧なカスタマーサポートも取り組みの1つといえるでしょう。
まとめ
2024年のデジタルマーケティングでは、最新技術の活用が鍵となります。
AIやChatGPTによる自動生成技術は、効率的なコンテンツ作成と顧客対応を可能にします。
またビッグデータの活用で、欲しい人にアクセスすることも可能となるでしょう。
さらに、InstagramやTikTok・YouTubeなどのデジタルコンテンツは、費用を抑えつつ幅広いターゲットにアプローチできる手法としてもおすすめです。
自社の発展と持続可能な事業のためにも、最新のデジタルマーケティングトレンドを抑えた企業経営が重要です。
本記事を参考に、最新のデジタルマーケティングトレンドを取り入れてみてください。