インターネットの回線速度を確認する方法として「Googleスピードテスト」があります。
わずか30秒以内でパソコンやスマホからテストできるので非常に便利です。
日頃インターネットを利用しているなかで、通信速度が速いと思ったり、遅いと感じたりすることがあるのではないでしょうか。テレワークやビデオ会議、動画視聴、オンラインゲームなど、それぞれのシーンで快適に利用するには、回線速度が極めて重要です。
そこでGoogleスピードテストを行うと、希望する操作に適した通信状況か否かがすぐにわかります。
本記事では、Googleスピードテストの意味や目的、方法や結果の目安、さらにインターネット速度を改善する方法について解説します。
Googleスピードテストとは
「Googleのスピードテスト」は、パソコンやスマホで利用しているネットワーク回線の通信速度を測定するツールです。検索フォームからアクセスしてだれでも無料で利用できます。わずか30秒以内で結果が出るので大変便利です。
測定できるのは、以下の3項目です。
- ダウンロード速度(インターネットサーバーからデータを受信する「下り」速度)
- アップロード速度(インターネットサーバーへデータを送信する「上り」速度)
- レイテンシ(転送要求後にデータが送られてくるまでの遅延時間)
ダウンロード速度とアップロード速度は、数値が高いほど通信環境が良好であることを意味します。
レイテンシは、低いほど通信速度が速いことを意味します。
Googleスピードテストの目的
Googleスピードテストを行う目的は、使用中のデバイスが置かれている通信状況をリアルタイムで把握するためです。
ダウンロード速度とアップロード速度は、一般的に「bps(bit per second(ビット・パー・セカンド)」で表示されますが、これは「1秒間にどれくらいの量のデータが送信できるか」を意味します。
Googleスピードテストでの結果は「Mbps」と「メガ」単位で表示されます。
ちなみに、1,000bps=1Kbps、1,000Kbps=1Mbpsです。
また、レイテンシは、「ping(ピン=Packet INternet Groper)値」とも呼ばれ、「ms(ミリセカンド・ミリ秒」で表示されます。遅延時間が短い場合は「低レイテンシ」、長い場合は「高レイテンシ」といわれます。
したがってレイテンシは、ダウンロード速度やアップロード速度に反比例し、これら速度が速ければ、レイテンシは低く、遅ければレイテンシは高くなります。
ただし、Googleスピードテストの結果は、同じデバイスで行っても毎回同じようにはならず変化します。詳しい理由は後述しますが、とくに通信状況に不具合を感じた際にスピードテストを行って、結果が想定より大幅に低ければ原因追及や何らかの改善策を施す必要があるでしょう。
Googleスピードテストの注意点
Googleスピードテストは、30秒以内に結果が出るという意味では非常に便利で使い勝手も良いです。
しかし一点注意しなければいけないのが、消費する通信量の多さです。1回のテストにつき約4.4MB必要で、何度も行うとデータ容量が急激に減少するおそれがあるため、とくにスマホの場合は気をつけてください。
Googleスピードテストのやり方と結果の見方
続いて、Googleテストの方法を解説します。
- Googleの検索エンジンを表示します。
- 「スピードテスト」と入力して検索します。
- 「インターネット速度テスト」という画面が表示されるので、右下の「速度テストを実行」をクリックします。
- 30秒以内に測定が終わり、左にダウンロード速度、右にアップロード速度、その下にレイテンシが表示されます。
必要に応じ「再テスト」をクリックすると何度でもスピードテストを行うことができます。費用は一切かかりません。
テスト結果の評価と目安
テスト結果の良し悪しを判断するための目安について解説しましょう。
上述の測定結果の下に、
「インターネット速度は非常に高速です。
このインターネット接続では、同時に複数のデバイスでの HD 動画のストリーミング、ビデオ会議、ゲームを処理できます。」
というようなメッセージが表示されます。これが大まかな目安となります。しかしこれでは、何が基準で評価されているかわかりません。
そこで、Googleでは、ダウンロード速度についてテスト結果の評価を行う際の基準を公表しています。
それが以下の通りです。
ダウンロード速度 | ||
メガビット/秒 | 評価内容 | 目安 |
100 Mbps 以上 | 非常に高速 | 同時に複数のデバイスで 4K 動画のストリーミング、友だちとのオンライン ゲーム、ビデオ会議が可能です。 |
50 Mbps 以上 | 高速 | 同時に複数のデバイスで 4K 動画のストリーミング、ビデオ会議、オンライン ゲームが可能です。 |
25Mbps 以上 | 快適な速度 | 同時に複数のデバイスで、HD 動画の安定したストリーミングが可能です。 |
13 Mbps 以上 | 良好な速度 | 同時にいくつかの HD 動画のストリーミングが可能です。家族の人数が多くても比較的安定しています。少人数の家族に最適の速度です。 |
7 Mbps 以上 | 普通の速度 | 1 本の HD 動画のストリーミングが可能です。複数のデバイスで同時に動画をストリーミングすると、バッファリングのために中断する可能性があります。 |
3 Mbps 以上 | やや低速 | 1 台のデバイスで標準画質の動画を 1 本ストリーミングできます。 |
3 Mbps 未満 | 低速 | ウェブ ブラウジングには十分ですが、動画の読み込みが遅くなる可能性があります。 |
参考:Google Nest ヘルプ/インターネットの速度をテストする
テスト結果が変わる理由
実際にテストを繰り返してみるとわかりますが、テスト結果は毎回異なります。同じデバイスでテストしても、ダウンロード速度もアップロード速度も、大きければ数十Mbpsという範囲で数値が変動することが珍しくありません。
また、ときにはテスト自体が中断され結果が表示されないケースもあります。これらについて考えられる理由やテスト結果が思わしくない場合の対処法について解説しましょう。
テスト時の状況が異なる
テスト結果が異なるのは、テストを行う場所や時間といった環境の違いによるところが大きいです。
テストの際には、Googleのシステムが自動的に対象となるサーバーを選択します。より近くのサーバーを選んだ場合は、速度がアップしますし、遠いとダウンします。自宅や会社、学校、電車にというようにどこでテストを行うかで自動選択されるサーバーは異なります。
また、時間帯によって結果に開きが出ることもあります。平日の早朝と昼間ではネットユーザー数が大きく異なります。週末の夜間や深夜などは非常に混み合うこともあるでしょう。すると通信状況が変動し、テスト結果にも反映されます。
OSやアプリの不具合
スピードテストを実施しても、テストがなかなか終わらず、結果が表示されないケースがあります。
この場合、原因の一つとして考えられるのがOSやアプリの不具合です。最新バージョンにアップデートしていないと正式に動作しないことがあるので注意が必要です。
優先デバイスをオフにしてみる
テスト結果が思わしくない場合の対処法として、「優先デバイスをオフにする」というものがあります。
これは、Google Nest Wifi Pro、Google Nest Wifi、Google Wifiを使用している場合に限りますが、Google HOMEというアプリで「優先デバイス」を設定すると、そのデバイス用にWi-Fiネットワークが多くの帯域幅を確保します。
するとバッファリングが抑制されてダウンロード速度がアップします。そこで優先デバイス設定をオフにすると、この偏りが修正され、それ以外のデバイスの通信速度が改善するのです。
優先デバイスをオフにする方法は以下の通りです。
- Google HOMEをタップします。
- Wi-Fiアイコンをタップします。
- 「デバイス」をタップし、「優先するデバイス」から「優先デバイスの設定」をタップします。
- 優先デバイスを優先する時間帯を選んで「保存」をタップして終了です。
他のツールと結果が異なる理由
Googleのスピードテスト以外にもインターネット速度を測定するツールは複数あります。
しかし、同じデバイスと場所からテストしてもツールによって結果が異なるケースが珍しくありません。
この場合は、どれが正しいかというより、各ツールによってテストに利用するサーバーの場所が違うため異なる結果が出て当然なのです。したがってスピードテストを行う際は、どれか一つのツールに絞って比較する方が、基準が定まり混乱が回避できるのでおすすめです。
インターネット速度を改善する方法
最後に、インターネット速度が遅いと感じた場合に、通信速度を改善できる方法を9つ紹介しましょう。
デバイスのOSやブラウザをアップデートする
デバイスのOSやブラウザのバージョンが古いと通信速度が遅くなることがあるため、アップデートはその都度まめに行うようにするのがよいでしょう。ただ、デバイスによってはサポート終了などの理由でアップデートできないこともあるので、その場合は買い替えも視野に入れる必要があります。
ルーターやモデムを再起動する
ルーターやモデムを再起動すると通信速度が改善されることがあります。機器が熱を帯びているとか、端末同士の干渉、キャッシュが溜まるといった理由で通信速度が遅延するケースがあります。
ルーターの設置場所を見直す
ルーターの設置場所を変えてみるのも良いでしょう。床に直接せってしている場合は、1〜2mの高さに設置するだけで大幅に通信速度がアップすることがあります。
Wi-Fiの周波数帯を変更する
Wi-Fiには、「2.4GHz」と「5GHz」の2種類の周波数が存在します。これらは、自動か手動で切り換えることができますが、もし2.4GHzに設定されている場合は、5GHzに切り換えるのもよいでしょう。
2.4GHzは、低い周波数ゆえ障害物に邪魔されず電波が遠くまで届く利点がある反面、家電やBluetoothなど他の機器が多数利用するという難点もあります。すると電波が干渉し合うことにより、Wi-Fiの電波が弱まるケースがあるのです。
一方の5GHzは、Wi-Fi専用に割り当てられた周波数のため、通信環境を良好にできる可能性が高まります。ただし、2.4GHzに比べると壁などの障害物に弱いデメリットがあるので、電波が届きやすい場所にルーターを配置するとかデバイスを移動させるといった工夫が必要です。
LANケーブルで有線接続する
Wi-Fiを無線接続で利用している場合は、有線接続に切り替えるのも良いでしょう。有線にすると通信が安定するため快適に使用できるようになります。
また、すでに有線接続している場合でもLANケーブルの規格によって速度が変わります。コードに、カテゴリ名(CAT.5やCAT.5eなど)や配線規格(ANSIやISOなどで始まる文字列)が記載されているので、それよりも最大通信速度が速いもの(ネット検索で調べることができます)に変えるのもおすすめです。
同時接続しているデバイスを減らす
同時に複数のデバイスを接続している場合も通信速度が落ちるので、必要に応じて一時的に電源を切るなどしてデバイスの数を減らすのも有効です。
デバイスの空きメモリを増やす
デバイスの空きメモリが少なくなると、どうしても処理速度の劣化が目立つようになります。使っていないアプリやデータを削除するなどして容量に余裕をもたせるようにしましょう。
接続する時間帯を変える
融通がきく場合は、インターネットに接続する時間帯を変えるのも良いでしょう。
- 平日の午前7〜9時の通学・通勤時間帯
- 平日のお昼休憩の午後0時〜14時前後
- 平日の17〜20時の下校・退社時間帯
- 平日と土日の22〜24時前後
以上の時間帯はどうしても通信が混み合いがちです。
これらを避けると通信速度がアップするケースが多いです。
光回線に切り換える
Wi-Fiが古いと通信速度に悪影響を及ぼすため、光回線に切り換えるのもおすすめです。
光回線は、通信速度が飛躍的に向上するのみならず、業者がこぞって導入を進めているので、固定電話やスマホとのセット割などでコストを安く抑えられると期待できます。アンテナなしで多くのテレビ番組を視聴できるメリットもあるでしょう。
まとめ
インターネットの回線速度を測定する際には、「Googleスピードテスト」が有効です。
Googleの検索画面からだれでも無料でサービス利用でき、わずか30秒以内に結果がわかります。
テレワークやプレゼン、ビデオ会議中に通信状況が悪化すると、大きなストレスになるだけでなく、顧客にも多大な損害を与えかねません。その際に通信速度を確認できれば、対処方法がわかり、リスクを回避しやすくなるでしょう。
平素から適切な通信速度を把握しておき、異変があった際はGoogleのスピードテストを活用して滞りなくインターネットが利用できるよう対策しておくことが大切です。