Googleが提供するGoogleフォームは、セミナーの出欠確認やアンケートの回収を効率化できるツールです。
しかし、どのように作ったら良いかわからない、具体的な使い方を知りたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではGoogleフォームの作り方を一から丁寧に解説。活用例や使い方もあわせて紹介します。
Webフォームを使って業務を効率化したいとお考えの方は、ぜひ本記事を参考にGoogleフォームの利用を検討してみてください。
Googleフォームとは「Googleが提供するアンケートサービス」のこと
Googleフォームとは、Googleアカウントがあれば誰でも利用できる無料のオンラインフォーム作成ツールです。
質問の形式は複数から選択できる他、質問の並び替えや値のカスタマイズなど、手軽に利用できます。また、色や画像、フォントをカスタマイズしてデザインを調整できるので、企業のブランディングを反映させられます。
Google ドキュメントやスプレッドシート、スライドと同様に、リアルタイムで共同編集も可能。ビジネス利用なら、「Google Workspace」の有料プランを利用するのもおすすめです。
Googleフォームの作り方|パソコンでの作成方法
Googleフォームの作り方の手順は以下の通りです。
- フォームを作成する
- 項目を追加する
- デザインを選択する
- 設定を確認する
- フォームを共有する
今回はパソコンでの作成方法を解説しますが、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からも作成が可能です。
また、手順2については8項目の詳細を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
手順1|フォームを作成する
Googleフォームの作成には、Googleアカウントが必須です。アカウントをお持ちでない方は、アカウントの登録から始めましょう。
Googleアカウントをお持ちの方は、Chromeを立ち上げてGoogleアプリから「フォーム」を選択します。Googleフォームへのアクセスはどのような方法でも構いません。
フォームへアクセスしたら、「新しいフォームを作成」から空白のフォームを選択するか、テンプレートを選択します。
ご自身でカスタマイズしたい場合は空白のフォームを、ある程度形ができている方が良い場合はテンプレートを選択するのがおすすめです。
手順2|項目を追加する
フォームの編集画面に移ったら、フォームのタイトルや説明を入力します。今回は、上から順番に解説していますので、タイトルや説明はあとから入力しても問題ありません。
タイトルや説明の入力が終わったらいよいよ項目を追加して、質問を入力していきます。項目の追加は、右側にある+ボタン(質問を追加)から行います。
また、項目は全部で11ありますので、必要に応じて使い分けるのがおすすめです。
本記事では、項目を以下の8つにまとめて解説します。どのように使い分けを行ったら良いのか、具体例も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 選択式:ラジオボタン
- 選択式:チェックボックス
- 選択式:チェックボックス(グリッド)
- 選択式:プルダウン
- ファイルのアップロード
- 均等メモリ
- 日付・時刻
- 記述式:短文回答
項目1|選択式:ラジオボタン
ラジオボタンでは、複数の回答を設定できます。回答者は、1つの回答のみ選択可能です。
[その他]の項目も追加できるので、回答者が回答したい項目がない場合にも有効です。ラジオボタンの応用編として、回答者の回答に応じてフォーム内の特定の質問に移動するようにも設定できます。
回答に基づいてアンケートを終了させられるので、簡単なアンケート調査にもおすすめです。
項目2|選択式:チェックボックス
チェックボックスでは、ラジオボタン同様に複数の回答を設定できます。[その他]の項目も追加可能です。
ラジオボタンと異なる点は、回答者が複数の回答を選択できることです。たとえば、チェックボックスを利用して以下のような質問を作成できます。
- 質問:あなたは、弊社のサービスを何で知りましたか
- 選択肢:インターネット広告/検索エンジン/チラシ/SNS・ブログ/友人・知人から/その他
項目3|選択式:チェックボックス(グリッド)
1行につき1つ以上の回答の選択が可能なグリッドを作成できるチェックボックスです。マトリクスと呼ばれる質問の形式で、回答のカテゴリを評価する際に使用できます。
Googleフォームでは、回答者が各列から回答を必ず選択するようにできる、[各行で1つの回答を必須にする] という設定が可能です。また、各列での回答を1つのみに制限したり、アンケートを開くたびに行の順序をシャッフルしたりもできます。
項目4|選択式:プルダウン
プルダウン形式で回答を選択してもらう質問の形式です。複数の回答を設定でき、ラジオボタン同様に単一選択式となっています。
選択肢の中身が分かりにくいものに関してはラジオボタンを、選択肢が誕生月や都道府県といった分かりやすいもので多いものに関してはプルダウンを使用するのがおすすめです。
項目5|ファイルのアップロード
フォームからファイルをアップロードするように回答者に依頼する質問形式です。以下のケースでは、ファイルをアップロードする質問形式を使用できません。
- フォームが共有のGoogleドライブに保存されている
- 管理者がデータ損失防止の設定をオンにしている
さらに、ファイルをアップロードする質問形式を使用する場合には、回答者がGoogleアカウントにログインする必要があるため注意しましょう。
ファイルのアップロードの質問形式では、回答者がアップロードできるファイルの形式を指定したり、ファイルの最大数・最大ファイルサイズを選択したりする設定ができます。
項目6|均等メモリ
メモリを用いて回答者に評価してもらう質問形式です。一般的には、スケールと呼ばれます。
どのくらい満足であったか満足度を図ったり、好意度を図ったりと回答者の心情を把握するのに適しています。
0を含めると最大で11段階の設定ができるので、必要に応じて段階を設定するのがおすすめです。
項目7|日付・時刻
日付、時刻を選択してもらう質問形式です。回答の形式は以下のようになっています。
- 日付:mm/dd/yyyy 形式
- 時刻:hh:mm AM/PM 形式
時刻では、所要時間を回答する形にもできます。日付において年や時刻を含めたり、時刻において時刻と経過時間を切り替えたりする場合は質問の右下にある3つの点から変更可能です。
項目8|記述式:短文回答・長文回答(段落)
自由回答形式の質問を作成できます。回答者に一行だけ答えてもらう「短文回答」か、長い回答を複数行で段落に分けて答えてもらう「長文回答」があります。
記述式の項目は、メールアドレスや電話番号を入力するのに使用したり、セミナーの感想や意見といった自由記入欄にしたりするのにおすすめです。
手順3|デザインを選択する
項目を追加して、質問の入力が完了したらデザインを選択します。デザインは上部にあるパレットのボタン(テーマ)から選択できます。変更できるスタイルは以下の通りです。
- テキストスタイル(フォント・文字の大きさ)
- ヘッダー
- 質問
- テキスト
- ヘッダーの画像
- 全体の色、背景色
ヘッダーには画像を挿入できます。写真や画像は好きなものを使用できるので、サービスや製品、ロゴなどを使用すれば手軽にブランディングできます。
手順4|設定を確認する
デザインを選択したら、上部タブにある設定から設定の内容を確認します。おすすめの設定は次の通りです。
- 回答→回答の編集を許可する:オフ
- 回答→回答を1回に制限する:オフ
- 表示設定→確認メッセージ:必要ならば編集
- 表示設定→別の回答を送信するためのリンクを表示:オフ
特に、回答を1回に制限するという設定をオンにすると回答者がGoogleへログインすることが必須となります。
不特定多数からの回答が必要な場合や、相手がGoogleアカウントを持っているか不明な場合はオフにしておくことをおすすめします。
手順5|フォームを共有する
フォームが完成したら、回答者への共有方法を選択します。フォームの共有はページ上部の送信から行います。フォームの共有方法は以下の通りです。
- メールで送る
- URLで送る
- Webサイトに埋め込む(HTML)
URLで送信する場合、リンクを短縮することも可能です。また、外部サイトを使用すればURLからQRコードを作成できます。
作成したフォームはGoogleドライブに保存される
Googleフォームは、セキュリティにも優れています。作成したフォームの保存先はGoogleドライブであり、ファイルをローカルPC上に保存する必要がありません。
さらに、フォームで作成したファイルはすべて転送時も保存時も暗号化されているため安心です。
作成したフォームを再度編集する場合は、フォームのページからアクセスできるほか、Googleドライブからもアクセス可能です。
回答確認は作成したフォームの「上部タブ」からできる
Googleフォームでは、リアルタイムで更新される回答データをグラフで確認できます。作成したフォームの上部タブにある回答から確認可能です。
回答は「要約」「質問」「個別」に分かれており、それぞれ以下のように活用できます。
- 要約:フォーム全体の回答を確認する
- 質問:設問ごとの回答状況を確認する
- 個別:回答者一人ひとりの回答を確認する
グラフで確認したい場合は、「要約」を活用すると良いでしょう。さらに、回答をスプレッドシートに送信すればより詳細な分析や自動化も可能です。
フォーム送信後には自動返信も可能
Googleフォームでは、回答者が回答を送信したあとに自動で返信する機能が備わっています。ただし、自動で送信される内容は回答のコピーとなります。
設定方法は以下の通りです。
- 設定→回答を開く
- メールアドレスを収集するの設定を収集しない以外に変更
- 回答のコピーを回答者に送信の設定をオフ以外に変更
「メールアドレスを収集する」の設定では、回答者がGoogleアカウントでログインする設定とフォームでメールアドレスを入力する設定に変更できます。
回答のコピーを回答者に送信の設定では、リクエストされた場合か常に表示に変更できます。フォームの使用用途に応じて、設定を変更しておくとよいでしょう。
また、自動返信する方法としては、Googleフォームのアドオンを利用したりタスク自動化ツールを利用したりする方法もあります。
Googleフォームの活用例・使い方
Googleフォームの作成をマスターしたら次はGoogleフォームを実際に活用してみましょう。本章では、Googleフォームの活用例を3つ挙げて解説します。
- セミナーやウェビナーなどの申し込みフォーム
- 来場者や参加者へのアンケートフォーム
- 学生や従業員向けのテストやクイズ
1.セミナーやウェビナーなどの申し込みフォーム
Googleフォームは、イベントやセミナー、ウェビナーなどの申し込みフォームとして利用できます。
Googleフォームを利用して申し込みフォームを作成する際に注意すべきことは、以下の通りです。
- 同じ人からの申し込みを防ぐために回答の回数を制限しておく
- 受け付け開始時間や終了時間を設定しておく
- 参加人数の定員を決めておく
Googleフォームでは、回答の回数を1回に制限できます。テンプレートや項目の選択肢も豊富なので、さまざまな種類のイベントやセミナーに活用可能です。
2.来場者や参加者へのアンケートフォーム
Googleフォームは、来場者や参加者の満足度を図るためのアンケートフォームとしても活用できます。
総務省の令和5年版情報通信白書によると、2022年の個人のインターネット利用率は84.9%であり、端末別のインターネット利用率(個人)では「スマートフォン」が71.2%です。
約85%もの人がインターネットを利用していることから、従来のアンケート用紙からWebフォームに切り替えることで、アンケートの回収や回答の集計の効率化が可能になります。
3.学生や従業員向けのテストやクイズ
Googleフォームでは、テストモードを使用して、学生や従業員向けにテストやクイズを作成できます。
テストモードにする手順は以下の通りです。
- Google フォームでフォームを開く
- フォームの上部の「[設定」をクリックする
- 「テストにする」をオンにする
必要に応じてメールアドレスの収集もできます。また、すべての質問形式に対して、回答の採点やフィードバックの入力も可能です。
解答集の作成も可能なので、複数人で採点やフィードバックを行いたい時にも活用できます。
Googleフォームの作り方をマスターして業務効率化を図ろう
今回は、Googleフォームの作り方や活用例を紹介しました。
Googleフォームの作り方の手順は、次の通りです。
- フォームを作成する
- 項目を追加する
- デザインを選択する
- 設定を確認する
- フォームを共有する
Googleフォームは、Googleが提供するオンラインフォームツールです。以下のような使い方が可能なので、アンケートの回収や集計、出欠確認などの業務が効率良く行えるようになります。
- セミナーやウェビナーなどの申し込みフォーム
- 来場者や参加者へのアンケートフォーム
- 学生や従業員向けのテストやクイズ
ぜひ、本記事を参考にGoogleフォームをはじめとしたWebフォームの活用を検討してみてはいかがでしょうか。