最近は、ビジネス活用をするためにYouTubeの運用を始める企業も増えてきていますよね。
YouTubeを活用すれば、自社の商品やサービスの認知度を高めたり、興味関心を促したりすることが可能です。
ただし、「YouTubeに動画をアップしたらきっと誰かが見てくれるだろう」という気持ちで動画をアップしても、なかなかビジネス上の成果には繋がりにくいのが現実です。そもそも動画が再生されなかったり、動画が再生されても問い合わせに繋がらなかったりすることはよくあります。
そこで、戦略的にYouTubeを自社のビジネスに活用するために「SEO(Search Engine Optimization)」、検索エンジン最適化の考え方も重要になってきます。
SEO対策に取り組むことで、ユーザーの検索ニーズを分析したうえで継続的に再生されるような動画を投稿できるようになります。
今回の記事では、YouTubeでSEOツールを活用するコツや、無料で使えるオススメのYouTube向けSEOツールを紹介させていただきます。
YoutubeのSEOツールとは?
まず、YouTubeで使えるSEOツールとはどんなものなのか、概要を解説させていただきます。
前提として、YouTubeの動画が再生されるまでの流入経路の一つとして、YouTube内での検索からの流入があります。
例えばですが、YouTubeで「20代 転職」と検索すると、20代の転職に関する様々な動画が表示されます。
企業がYouTubeで動画をアップする際は、この検索キーワードを考えて企画を作ることで、悩みを抱えたユーザーに自社の動画を見つけてもらいやすくなります。これがいわゆるSEO(検索エンジン最適化)という考え方です。
そして、SEOに取り組んでいくためには、肌感だけではなく実際にデータを分析して企画を立案・運用していくことが重要です。
SEOツールを活用することで、効率的にYouTube内で検索されているキーワードやその検索ボリュームを分析することができるようになります。
特にYouTubeの運用を開始してすぐは自社の動画を見てくれるチャンネル登録者も少ないため、SEOを狙って着実に集客を増やしていくことが重要です。
YouTubeでSEOツールを使うコツ
では、YouTubeの運営でSEOツールを上手く活用していくにはどのようなコツがあるのでしょうか?無料で使えるツールの紹介に入る前に、3つのポイントを解説させていただきます。
自社に関係するキーワードを見つける。
まず、SEOを考える際は自社に関係するキーワードを見つけていくことが重要です。
例えばですが、Youtubeで「猫」のキーワードにニーズがあると分かったとしても、自社の商品やサービスに関係がないのであれば、動画をアップしてもビジネスに繋がる集客効果はあまり期待できません。また、ニーズの高いジャンルはライバルとなる動画投稿者も多いため、ニーズがあれば簡単に動画が再生されるという訳でもありません。
まずは「自社のビジネスでターゲットとなるようなユーザーが、どのようなキーワードでYouTubeで検索をしているのか」についてSEOツールを活用して分析するようにしましょう。
自社に関係するキーワードを見つけることができたら、そのキーワードを検索する人の悩みを解決するような動画を企画していきましょう。
この方法で見つけたキーワードを軸に企画をすると、動画内で自然に自社の商品やサービスを訴求できるため、再生回数が少なくてもビジネスに繋がりやすいです。
YouTubeは再生回数やチャンネル登録者数が他のユーザーにも見られるため、どうしても分かりやすい数字ばかり気にしてしまいがちです。ですが、再生回数やチャンネル登録社数だけが増えても、自社のビジネスに繋がらなければ継続はできません。
YouTubeを運営する最終的な目的をしっかり意識したうえで、SEO対策をするべきキーワードの調査を行いましょう。
トレンドでニーズの高いキーワードを見つける。
次に、トレンドでニーズの高いキーワードを見つけることも効果的です。
自社の扱う情報でトレンド要素の強いものがあるのであれば、トレンドに合わせて動画を作成することで再生回数の伸びが期待できます。
例えばですが、新しいAIツールが発表されたタイミングでは、それらの情報を上手く整理してまとめることで多くのユーザーが視聴してくれるかもしれません。
SEOツールの中には、トレンドのキーワードを見つけられるものもありますので、うまく活用していきましょう。
また、「このキーワードは今後トレンドになる!」と予測できるキーワードがあれば、先に動画を作って受け皿を準備しておくことも効果的です。SEOツールはあくまで過去のデータを分析するものなので、ツールだけに頼らず自身で企画を考えていくことも重要です。
SEO以外の流入経路も意識する。
最後に、YouTubeではSEO以外の流入経路も意識しておくことが重要です。
YouTubeの動画において検索流入は、数ある流入経路の内の1つでしかありません。
場合によっては、関連動画からの流入を狙ったり、お金をかけて広告を使ったりしたほうが流入も増え売上にも繋がるということもあります。
まずは動画をアップしてみて、どのような流入経路から自身の動画が再生されるのか、どれくらいの期間でどれくらい再生数が伸びるのかを検証してみてください。
SEOでの流入も重要ですが、SEO以外からの流入も多いのであれば、まずは現時点で流入が多い経路での対策を進めていくのも戦略の一つです。
YouTubeで使える無料のSEOツール
ここからは、YouTubeで使える無料のSEOツールをまとめて紹介させていただきます。
ツールごとに特徴やできることが違ってきますので、気になるツールがあればまずは試してみるのがオススメです。
ラッコキーワード
出典:ラッコキーワード
まず最初に紹介するのは、「ラッコキーワード」です。
ラッコキーワードはYouTubeやGoogleで検索されているサジェストキーワードが分かるSEOツールです。
例えばですが、「Vlog」というキーワードで調べると、「Vlog カメラ」「Vlog 撮り方」「Vlog 顔出ししない」といったキーワードが合わせて検索されていることが分かります。多くのユーザーは、キーワードを検索する際に複数のキーワードを組み合わせて検索します。そのため、Googleでは検索窓にキーワードを入力すると、関連すると思われるキーワードを予想して候補として表示します。
このとき候補として表示されるキーワードのことをサジェストキーワードと呼びます。ラッコキーワードを使えば、このようなサジェストキーワードを簡単に調査することが可能です。
サジェストキーワードが分かると、それらのキーワードを元にYouTubeの動画を企画することができます。
また、有料機能を使えば各キーワードの検索ボリュームも分かりますので、狙いたいキーワードがどれくらいニーズがあるのかも分析できるようになっています。ニーズがあるのにYouTube上で動画が存在しないようなテーマを選ぶと、YouTubeからの検索流入が増えていきやすいです。
また、もし既に競合がいるようなテーマでも、自社の方がより質の高い動画をアップできるのであれば、その場合も検索からの流入が期待できます。
YouTubeでのSEO対策だけでなく、企画のネタ出しにも使える便利なSEOツールです。
Keywordtool
出典:Keywordtool
次に紹介するのは「Keywordtool」です。
先ほど紹介したラッコキーワードと同様、YoutubeやGoogleで検索されているサジェストキーワードが分かるツールです。
海外サイトなので少し使いにくい部分もありますが、言語を指定してキーワードを検索すれば、一覧でサジェストキーワードが表示されます。
さらに、有料機能を使えばキーワードの検索ボリュームやトレンド性等、高度な分析もできるようになっています。YouTubeで使える高度なSEOツールを探している方にはオススメです。
YoutubeStudio
次に紹介するのは「YoutubeStudio」です。
YoutubeStudioは、自身の投稿したYouTube動画の様々なデータが分析できるYouTube公式のツールです。
YouTubeのチャンネルを開設すれば、誰でも無料で利用することができます。
自分のアップした動画の再生回数はもちろん、再生時間や離脱のタイミングなども分析することができ、動画内容の改善案を考える際にはかなり役立ちます。
また、動画への流入経路も分かるようになっており、「ブラウジング機能」「関連動画」「YouTube検索」など、どういった方法でユーザーが動画に流入したのかが把握できます。
YouTubeの検索で流入があった場合、どういったキーワードから流入されているのかも具体的に分かるようになっています。予想外のキーワードから流入があることもあり、新しい動画のアイデアが浮かぶきっかけにもなり得ます。
YouTubeのSEOを強化したい場合は定期的にチェックしておきたいツールですね。
Googleトレンド
出典:Googleトレンド
次に紹介するのは「Googleトレンド」です。
Googleトレンドは、調べたいキーワードのYoutubeやGoogleでの検索数の推移が分析できるツールです。
「どういったキーワードが最近検索数が増えているのか」や、「狙いたいキーワードがいつ頃から検索されているのか」が分析できるため、動画の企画はもちろん投稿タイミングの立案にも役立ちます。
注意点として、Googleトレンドではキーワードの検索ボリュームは分からず、検索数の推移だけが分かるようになっています。そのキーワードでの検索ボリュームを知りたい場合は、他のツールで分析をするか、比較対象となるキーワードを設定して相対的な評価で推測してみることをオススメします。
機能はシンプルですが、いろんな使い方ができるYouTubeのSEOツールです。
vidIQ
出典:vidIQ
次に紹介するのは「vidIQ」です。
vidIQは、YouTubeでトレンドとなっているキーワードや関連キーワードが分析できるツールです。
また、競合調査も可能で、「競合の動画がアップロードした動画が時間ごとにどのように再生回数を増やしたのか」や「競合の動画がどういうキーワードを使っているのか」等を分析することができます。
YouTubeで動画をアップする際は、しっかりと競合調査をしたり、トレンドを意識したりすることで再生回数を伸ばしやすくなります。
競合調査やトレンドを踏まえてYouTubeのSEO対策をしたい場合はぜひ活用してみてください。
Ahrefs YouTube Keyword Tool
出典:Ahrefs YouTube Keyword Tool
最後に紹介するのが「Ahrefs YouTube Keyword Tool」です。
Ahrefs YouTube Keyword Toolは、関連キーワードやキーワードごとの検索ボリュームが分かるツールです。
無料でも自分の狙いたいキーワードの関連キーワードとその検索ボリュームがある程度分かるので、動画の企画にかなり役立ちます。
有料版では、指定したキーワードの検索結果でどれくらいの動画がクリックされているのかを分析したり、特定のキーワードを除外して関連キーワードを調査したりすることもできるようになっています。
無料で狙いたいキーワードの検索ボリュームがどれくらいあるのかざっくりと調査したいという方にはオススメなSEOツールです。
まとめ
今回は、YouTubeで使える無料のSEOツールについて、ツールを活用するコツも含めて解説させていただきました。
Google検索だけでなく、YouTubeにおいても検索からの流入を最大化させることは自社のWEBマーケティングにおいて重要です。
ぜひ今回紹介したYouTubeで使える無料のSEOツールを活用してみて、自社への集客を増やせるように試行錯誤してみてください。
動画の投稿本数が増えてくると様々なデータが溜まってくるようにもなり、よりPDCAを回しやすくもなります。
YouTubeは大変なことも多いですが、少しずつ改善をしてビジネスに繋げていきましょう。
また、自社のビジネスへの集客を増やすためには、YouTubeだけでなく自社サイトのSEO対策も効果的です。こちらの記事では自社サイトのSEO分析に役立つツールをまとめていますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。