工務店や建設業を営んでいる・これから独立しようとしているなかで
「より売上の安定する仕事のとり方を知りたい」
「自社の力で仕事を獲得していきたい」
と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
工務店・建設業は下請け構造が一般的となり、利益率が低い傾向にあります。
また紹介営業を軸にしていることが多く、自社の力で集客できていない企業も多いといえるでしょう。
そこで本記事では、工務店・建築業や安定した受注を得る方法を5つ解説していきます。
仕事の取り方に悩む根本的な理由を分析しながら、効果的に仕事を取る手順や安定化させるコツについても解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
工務店・建築業が仕事の取り方に悩む理由とは?
では、工務店や建築業が仕事の取り方に悩む理由を分析してみましょう。
まず建築業界は下請け構造と、紹介を中心に仕事を獲得していることが挙げられます。
そこから脱却できずに、なかなか利益率が上がらないことや、紹介に頼る不安定さに悩まれている企業が多いといえるでしょう。
1.紹介が多い
工務店は地域に根差した経営が多く、古い知り合いや既存顧客からの紹介が主な仕事の取り方だという会社も多いと思います。
もちろん人からの紹介は営業方法として有効な手段ではあります。
また独立したばかりの頃は、紹介に頼ることも生き残るうえで重要なスキルでしょう。しかし、依存すると紹介元頼みとなってしまいリスクが発生します。紹介元との関係次第で仕事が減ることや、最悪の場合は紹介元の経営悪化で共倒れになってしまいます。
そのため待っているだけではなく積極的に営業を行い、自社の力で仕事を獲得する仕組みを作っておくことが重要です。
ただし、たまたま仕事がないときに知り合いから仕事をもらったり、依頼が自社だけで対応しきれないときに知り合いに仕事を頼んだりすることもあるでしょう。したがってこれまでの知り合いや紹介元と良好な関係を保ちながらも、自社の仕組みを整えていくことが工務店の仕事の取り方では大切になります。
2.下請けが多い
建築業の特徴として「重層下請け構造」が多く、そもそも扱う仕事が下請けであることが多いです。
重層下請け構造とは、元請け事業者が仕事のすべてまたは一部を下請け業者に依頼し、その下請け業者が仕事をさらに事業者へ下請させる形態になります。
重層下請け構造の例
- 仕事の依頼元:国・地方公共団体・民間企業
- 元請け業者:ゼネコン・総合建設業者
- 一次下請け:サブコン・専門工事業者
- 二次下請け:中小の職人をかかえる事業者
下請けのメリットは積極的な営業活動を行わないことですが、二次下請けになるほど利益は少なくなります。
また仕事の依頼内容や調整ができないなど、デメリットも多いといえるでしょう。
そのため売上の向上や安定化を図るためには、元請けとなって仕事を獲得することが重要です。
3.ホームページがない・更新されていない
工務店・建設業界ではホームページを活用していない企業も多いのではないでしょうか。
下請けや紹介で仕事を取ってきた企業さまにおいては、そもそもホームページが必要ない、ホームページがあっても会社紹介のみといったケースがよく見られます。
しかし、自社で仕事を取るとなれば、ホームページは必要不可欠です。
なぜなら、だれもがスマートフォンで簡単に情報を検索できる世の中になり、工務店に仕事を依頼したいという個人も企業もまずはインターネットでリサーチしているため。GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンで「工務店 大阪市」や「リフォーム 大阪市」などと検索したときに、上位に表示されている企業のホームページがクリックされます。そしてそのままお問い合わせや資料請求へとつながるのです。
もしホームページを保有していたとしても、アクセスが少なければ何も効果を得られていない状態といえるでしょう。どんなに良い仕事をする企業であっても、誰にも知られていなければ顧客の獲得はできません。
そのためまだホームページがない、または活用できていない工務店は、まず新規制作・リニューアルすることを検討しましょう。「どうすればアクセスが集まるのか」を意識し、自社のターゲットとなる顧客に向けて情報発信することで、お客さまのほうから「見つけてもらえる」ようになり、365日24時間自動で集客できるようになります。
工務店・建築業の仕事の取り方5つ
では集客のプロが工務店・建築業におすすめの仕事の取り方5つをご紹介します。
- 人脈を活用した営業
- マッチングサービスの活用
- ホームページを作る
- SNSを活用する
- オンラインツールを活用したアプローチ
特にインターネット社会の現代では、ホームページやSNSは非常に有効な手段です。
またオンラインツールも気軽に実施できる点が強みとなり、顧客との接触を図るうえでは効果的な方法となります。
1.人脈を活用した営業
前述したとおり多くの工務店が、人脈を活用した営業を実践しています。工務店に勤めていた経歴がある場合は前職から仕事を回してもらう、また既存顧客をとおして新しい顧客を紹介してもらうなども効果的な方法です。
紹介営業の最大の強みは、信頼できる人脈を介して紹介されているため受注に繋がりやすい点といえるでしょう。
ただし継続した紹介営業を行っていくためには、顧客との信頼関係を丁寧に構築する必要があります。
そのため接客態度やアフターサポートの質を高めることが重要です。
また人脈には限りがあり、安定した受注は約束できないため、仕事が途切れたときに頼るというような使い方が良いでしょう。普段から良好な関係を維持していくことは大切です。
2.マッチングサービスの活用
マッチングサービスとは、「自分に合った家を立てたい人」と「要望を実現できる建築家・工務店」をつなげるためのサービスです。
マッチングサービスの例
マッチングサービスを利用すればサービス上で顧客を見つけられるため、自社で積極的に営業を行わなくても顧客を獲得できます。
ただし費用が必要なうえ、売上の安定化を行うことが難しいといえるでしょう。
そのため営業方法の軸ではなく、あくまでサブ的な扱いとして活用することをおすすめします。
3.ホームページを作る
工務店の営業で外せない方法が、ホームページの活用です。
従来までは折込チラシやイベント・見学会といったオフライン集客が主流でした。
しかし近年ではコロナウイルスの影響やスマートフォンの普及により、オフライン集客の効果が薄れてきました。
なかでもユーザーはGoogleやYahoo!JAPANといったインターネットでの「検索」をとおして情報収集をしています。そのため「工務店 大阪市」や「リフォーム 大阪市」などと検索したときに自社ホームページがヒットすれば、まだ自社を知らない潜在顧客から見込み顧客まで、幅広いターゲットへと認知拡大させることが可能になるでしょう。
またホームページ集客は新規の顧客獲得から受注までを一貫して実施できるため、営業の軸としてもおすすめの方法です。
4.SNSを活用する
ホームページと合わせて実施すべき方法が、SNS運用です。
なぜなら工務店のメインターゲットとなる顧客は30代前後。SNSを活用している世代となるため、工務店はSNSと相性が良いといえるでしょう。30代前後のマイホームを考え始めた世代は、日々SNSで住宅に関する情報を閲覧していると考えられます。また拡散力の強いSNSは、一気に自社の認知を広めるのに役立ちます。
Instagramなどの写真をメインとしたSNSでは、施工事例や生活導線などの写真を投稿することで、マイホームへのイメージをふくらませることができ、自社の魅力を伝えながらお問い合わせや成約につなげられます。YouTubeなど動画SNSであれば、自社のプロモーションとしてCMのような活用方法や、実際にモデルハウスを見学しているように内観を映すなど、写真では伝えられない情報も発信できるでしょう。
したがって工務店が今後営業活動を行っていくうえでは、ホームページだけでなくSNSの活用も必須といえます。無料で始められ、低コストで運用可能なので、使わない手はありません。SNSで認知拡大し、ホームページに誘導しお問い合わせや資料請求につなげるという導線がおすすめです。
工務店のSNS運用について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
4.オンラインツールを活用したアプローチ
仕事を取る過程では商談や相談会も重要な活動となりますが、コロナ禍では思うように面会の場を作ることが難しくなっています。そこで、オンラインツールの活用をおすすめします。
例えばオンラインでビデオ会話のできるツールであれば、顧客の場所や時間に関係なく商談を行えます。
ほかにも簡単に相談会やセミナーを開催できるため、見込み顧客へ向けたアプローチとしても有効な手段です。
またオンラインは対面よりも敷居が低く、顧客も気軽に参加しやすい点がメリットといえるでしょう。
企業としても生産性の向上につながるため、オンラインツールは積極的に取り入れていくべき営業方法です。
工務店・建築業に効果的な仕事の取り方3ステップ
仕事を取るうえでは実践手順や事前の準備が重要です。
以下の3ステップを参考に、実践していきましょう。
- 顧客の明確化
- ターゲットに合わせた手法選び
- 継続的な情報発信
1.顧客の明確化
はじめに行うべきことが、現状分析による顧客の明確化です。
どのような家づくりを目的としている顧客にアプローチするのか、ターゲットとなる顧客の特徴を具体的に考えましょう。たとえば、以下のような特徴が挙げられます。
- 価格の安さを求めている顧客
- 住宅のデザインを求めている顧客
- 住宅の機能性を求めている顧客
- 工事の技術力を求めている顧客
- 対応やアフターサービスを求めている顧客
目的を考えると顧客の求めていることがはっきりするため「どのような価値を提供すべきなのか」が明確になります。
またターゲットが自社に適切であるのかを判断するうえでも有効といえるでしょう。
仮に高性能・高価格な住宅が強みの工務店であれば、「価格の安さを求めている顧客」はターゲットとして合っていません。
そのため顧客の特徴から自社の強みを照らし合わせ、適切なターゲティングが行えているのか、自社の強みを活かせているのかを考えることが重要です。
3C分析は自社だけでなく、市場・顧客・競合といった外的要因を比較することで、自社の強みや弱みを分析できます。そのため自社がどのようにアプローチすれば良いのかなど、事業の方向性を定める際に役立つ手法です。
2.ターゲットに合わせた手法選び
つづいて、ターゲットに合わせた手法を選んでいきましょう。
まずは設定したターゲットの特徴を踏まえたうえで、ターゲットがよく見ている媒体を選び、自社を認知してもらうことが重要です。
一般的な工務店であれば、顧客層の特徴からインターネットを軸としたホームページやSNS、Web広告などの情報発信が適しています。しかし年齢層が高く普段からインターネットを活用しない顧客がターゲット層であれば、折り込みチラシなどのオフライン営業が効果的かもしれません。
また地域によっては、情報誌やフリーペーパーが効果的な場合も考えられます。
このようにターゲットによって適切な手法は異なるため、どのような情報収集を行っているのか、具体的な行動や行動心理を踏まえて手法を選択していきましょう。チラシにWebサイトのURLを載せるなど、複数の手法を組み合わせるのがおすすめです。
3.継続的な情報発信
仕事を取るうえでは、オフライン集客・オンライン集客を問わずに、継続した情報発信が欠かせません。
なぜなら工務店の商材は「住宅」であり、「たまたまチラシで見たから買う」というものではありませんね。よって「たまたま住宅購入を考えていた」という人でない限り、一度や二度の接触でターゲットを成約に結びつけることは難しいのです。
「住宅」は多くのお客さまにとって、人生でもっとも高額な買い物といえるでしょう。
理想の住宅を建築するためにも、さまざまな工務店を比較し時間をかけて依頼先を決めることが一般的です。
そのため成約につなげるためには、顧客と長期的に接触し、自社への興味や信頼度を高めていく必要があります。
したがってホームページであれば、ブログやコラムで役立つ情報を発信する、SNSで映える写真を投稿してフォロワーを増やすなど、まずはお客さまにファンになってもらい信頼されるような情報発信が重要です。
工務店・建築業が安定して仕事を取るためのコツ
仕事を安定して取るためには、元請けとなる仕事の受注が欠かせません。
そのためには営業手法の組み合わせ、なかでもホームページを活用した情報発信は必須といえるでしょう。
ここでは、工務店・建築業が安定して仕事を取るためのコツについて解説していきます。
1.元請けになる仕事を選ぶ
工務店に多い下請け構造を打開するためには、積極的に元請けとなる仕事選びが重要です。
下請けの仕事のみを行っていると利益率は下がる一方となり、売上は伸ばすことはできません。
実際コロナ禍では材木が高騰したことで、元請け企業は利益を確保するために下請けへの作業賃金を下げたケースも多いようです。
また近年のデジタル化によって仕事の取り方は変化し、元請けとなる仕事が獲得しやすい状況になっているといえます。
このチャンスを逃さず、自社で積極的に営業を行い、利益率の高い仕事を獲得していきましょう。
2.Webサイトを活用した情報発信は必須
前述してきましたが、ホームページの活用は必須です。
現代のインターネット社会ではどの年代でもスマートフォンを活用しており、情報収集はインターネットが軸となります。たとえば新聞の折込チラシで工務店を知った場合でも、あとからインターネットで「検索」をして、より詳細な情報を求めるユーザーが多いでしょう。顧客層の年齢が高くチラシや雑誌などのオフライン集客が効果的であっても、ホームページは不要とはいえません。
特に若い顧客層では、ホームページがないだけで「信頼できない工務店」と判断されることも少なくありません。
今後ますますWeb集客が進んでいく現代では、ホームページは必須といえるでしょう。
3.複数の手法を組み合わせる
売上の安定する営業活動を行うためには、複数の手法を組み合わせることが大切です。
例えばインターネットを活用しているからといって、Web広告のみを行っていては継続的な顧客獲得はできません。
Web広告の競争率が高まれば、自社の獲得顧客数は減少してしまうでしょう。
またWeb広告では出稿費用がかかるため、毎月の広告費用は大きな負担となります。
そのためWeb広告以外にもホームページやSNSを活用するなど、「認知を広げる手法」や「問い合わせにつなげる手法」といった目的別の活用がおすすめです。
サイトとSNSの組み合わせについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
本記事では工務店・建築業が仕事の取り方に悩む理由を分析し、安定した受注を得る手法5つについて解説してきました。
安定して仕事を取るためには、まずは元請けとなる仕事の受注が必要です。
そのためには企業が積極的に情報を発信する必要があり、なかでもホームページの活用は必須といえるでしょう。
また工務店のメインターゲットとなる顧客層が多いSNSも効果的な手法となるため、ホームページと合わせて取り組むことをおすすめします。