Google Workspaceを活用したいけれども、どのような機能があるか詳しく知らない方も多いでしょう。
Google WorkspaceはGoogle社が提供するクラウド型のグループウェアで、Gmail・Googleドキュメントなど業務を効率化するさまざまなアプリを利用できます。
今回はGoogle Workspaceについて、利用できるアプリ・メリット・料金・使い方などを紹介します。
本記事を読めば、Google Workspaceの概要を理解してスムーズに導入・運用できます。Google Workspaceを導入して、業務の効率化から人材不足解消・売上拡大などの成果に結びつけましょう。
Google Workspaceとは
Google Workspaceとは、Google社が提供するクラウドベースのグループウェアです。Gmail・Googleドキュメント・Googleスプレッドシート・Googleスライド・Google Meetなど、企業業務に役立つアプリがワンパッケージになっています。
クラウド上で提供されるため、インターネットがあれば場所に縛られずアクセスできるのが特徴です。デバイスを選ばずPC・スマートフォンなどから業務を行えるため、テレワークにも最適です。
価格設定も複数のプランから柔軟に対応でき、企業規模に合わせてカスタマイズしやすい点も魅力です。クラウドサービスならではの定期的なアップデートにより、常に最新の機能を利用できる点も大きなメリットとなります。
Google Workspaceの種類2つ
Google Workspaceには「無料版」「有料版」の2種類があります。両者には利用人数・機能に違いがあるため、自社の業務環境に合ったプランを選ぶのが大切です。
以下の見出しで、無料版・有料版の違いを詳しく見ていきましょう。
1.無料版
Google Workspaceの無料版は、Googleアカウントを持っていれば利用できるサービスです。Gmail・GoogleドキュメントなどGoogle Workspaceで提供されるアプリは、すべて無料で利用できます。
無料版では、1ユーザーあたり15GBのクラウドストレージ容量が付与されます。保存するデータが多く上限をあげたい場合は、有料版を利用しましょう。
また、無料版は有料版に比べるとユーザー管理・アクセス権設定などの一部機能に制限があります。
2.有料版
Google Workspaceの有料版は、主に企業向けに提供されているサービスです。無料版と同様の基本機能に加え、より高度なセキュリティ設定・管理機能が利用できます。
ユーザー管理・アクセス権限の設定・ログの追跡など、大規模組織のセキュリティ要件にも対応しています。また、有料版では企業ドメインを独自に設定できるなど、事業活動を行ううえで便利な機能が数多く備わっている点も特徴です。
Google Workspaceに実装される機能・アプリ
Google Workspaceに実装される機能・アプリは、以下の12種類があげられます。
- Gmail
- Google Meet
- Google Chat
- Googleカレンダー
- Googleドライブ
- Googleドキュメント
- Googleスプレッドシート
- Googleスライド
- Googleフォーム
- Googleサイト
- Google Keep
- Google管理コンソール
上記の機能を活用して、自社業務の効率化を目指しましょう。
1.Gmail
Google Workspaceの中核をなすのが、Gmailです。個人・企業向けのメールサービスとして、高度なセキュリティ機能・管理機能を備えています。
Googleドライブ内にあるファイルをボタン一つで添付して送付できるため、データのやり取りがスムーズにいく点も大きな特徴です。
2.Google Meet
Google Workspaceには、オンラインミーティングツールのGoogle Meetも含まれています。
有料版では最大1,000人までビデオ通話に参加でき、大規模組織の会議にも問題なく対応可能です。
高画質のビデオ通話に加えて、自動で字幕を表示させる機能・ノイズキャンセリングが搭載されている点も特徴です。管理者による会議の録画・出席者の管理など、企業向けのニーズにも応えられる機能が充実しています。
Googleカレンダーとの連携により、スケジュール画面から直接ミーティングにアクセスできる点も便利です。
3.Google Chat
Google Workspaceに含まれるGoogle Chatは、チャット形式のコミュニケーションツールです。個人間・小規模なグループでのチャットに対応しており、ファイル・タスクの共有などもできます。
通知機能も備わっており、リアルタイムでのコミュニケーションも可能です。
4.Googleカレンダー
Google Workspaceの中核アプリの一つが、Googleカレンダーです。個人・組織のスケジュール管理を一元的に行えるクラウドベースのカレンダーアプリとなっています。
カレンダーの共有を行えるため、チームメンバー全体の予定をアプリ一つで把握できる点が大きな特徴です。業務予定を個々に聞き取りする手間を省き、進捗管理の効率化を図れます。
5.Googleドライブ
Google Workspaceには、クラウドストレージサービスのGoogleドライブも含まれています。あらゆるファイルの保存・共有を行えます。
個人ユーザー向けの無料版・企業向けの有料版に分かれている点が特徴です。無料版では15GBまでのデータ保存が可能で、有料版では2TBと大容量に対応しています。
Gmail・ドキュメント・スプレッドシートなどほかのGoogleアプリと連携できる点も魅力です。
6.Googleドキュメント
Google Workspaceに含まれるGoogleドキュメントは、クラウド上で共同編集が可能な文書作成ツールです。
複数ユーザーで同時にドキュメントの編集・コメント・リアルタイムでの反映が可能で、効率的な文書作成を実現します。
Googleドライブとの連携により、ファイル管理もクラウド上で一元化できます。ファイルの検索機能も優れており、欲しいデータをすぐに見つけて編集できる利便性も魅力です。
7.Googleスプレッドシート
Google Workspaceに含まれるGoogleスプレッドシートは、エクセルと互換性のある表計算ツールです。クラウド上で複数人での同時作業が可能で、エクセルファイルをスプレッドシート上で編集できます。
スプレッドシートに備わっているデータ探索機能では、AIが自動で適切な書式を提案してくれるなど作業効率を高められる点がメリットです。
8.Googleスライド
Google Workspaceに含まれるGoogleスライドは、Microsoftのパワーポイントと互換性のあるプレゼンテーションツールです。ドキュメント・スプレッドシートと同様に、クラウド上で複数人による同時編集ができます。
パワーポイント・PDF・画像など幅広い形式でのデータ出力に対応しており、シーンに合わせて使い分けできる特徴もあります。
9.Googleフォーム
Google Workspaceに含まれるGoogleフォームは、オンラインでアンケートを作成・実施できるツールです。クラウド上で簡単に入力フォームを作成・共有でき、リアルタイムでの回答集計ができます。
セキュリティ面でもアクセス制限・回答の匿名化など、企業ニーズに沿った設定が可能です。
10.Googleサイト
Google Workspaceに含まれるGoogleサイトは、ウェブページ作成ツールです。ビジネスにも活用できるスマートなデザインのウェブサイトを、コーディングなしで簡単に作成できます。
豊富なテンプレート・ドラッグ&ドロップによる操作性の高さが特徴で、社内ポータルサイトなどの構築も容易に行えます。
11.Google Keep
Google Workspaceに含まれるGoogle Keepは、クラウド上のメモ・ノートアプリです。簡単なテキストからチェックリスト・写真添付まで、さまざまなタイプのメモを作成・管理できます。
カラーラベルによる分類・キーワード検索・位置情報の付与など、メモの管理機能も充実しています。リマインダー設定で通知を受けられるようにすれば、タスク管理にも活用できます。
12.Google 管理コンソール
Google Workspaceには、ユーザー管理・セキュリティ設定・アプリの統合管理を行うGoogle管理コンソールが含まれています。
パスワードポリシーの変更・不審な活動の検知などセキュリティ管理にも対応しています。デバイス紛失時のデータ抹消など、リスク対策も可能です。アプリの統合管理機能では、Google Workspace内の各種アプリの有効・無効化など、組織全体で一元的な運用が行えます。
Google Workspaceと連携可能なシステムの例
Google Workspaceと連携可能なシステムの例として、以下の3つがあげられます。
- Asana
- rakumo
- HENNGE One
上記システム以外にもGoogle Workspaceは幅広いツールとの連携できるため、自社で導入するシステムが対応しているか確認しておきましょう。
1.Asana
Asanaは、Google Workspaceにあるすべてのアプリと連携可能です。たとえば、Asuna内のスケジュールを同期させてGoogleカレンダーに表示させるなどの連携もできます。
ほかにもGmail内のメールからAsanaに直接タスク化して登録することも可能です。Googleドライブ内のファイルをAsanaのタスクにファイル添付できる機能も備えています。
2.rakumo
rakumoは、Google Workspaceの機能を拡張させるクラウドツールです。
勤怠管理・稟議申請などGoogle Workspaceには無い機能も、rakumoを利用すれば追加可能です。rakumoはノーコードで簡単に導入できるため、社内にエンジニアがいない場合でも即座に利用できます。
3.HENNGE One
HENNGE Oneは、各種クラウドサービスのセキュリティを強化できるツールです。Google Workspaceとも連携可能で、シングルサインオン・多要素認証によるアクセス制御などの機能を追加できます。
また、誤送信対策フィルター・メール監査対策など、メールセキュリティの強化に対応している点も特徴です。
Google Workspaceの料金体系
Google Workspaceでは以下の有料プランが用意されています。
プラン名 | Business Starter | Business Standard | Business Plus | Enterprise |
---|---|---|---|---|
月額料金(1ユーザーあたり) | 816円 | 1,632円 | 2,448円 | 要問い合わせ |
主な機能 | セキュリティ保護されたカスタムのビジネス用メール 100人まで参加可能なビデオ会議 ユーザー1人あたり30GB のストレージ 2段階認証プロセスなどのセキュリティ機能 スタンダードサポート | セキュリティ保護されたカスタムのビジネス用メール 150人まで参加可能なビデオ会議 ユーザー1人あたり2TBのストレージ 2段階認証プロセスなどのセキュリティ機能 スタンダードサポート(エンハンスト サポートに有料でアップグレード可能) | セキュリティ保護されたカスタムのビジネス用メール、電子情報開示、データ保持 500人まで参加可能なビデオ会議、会議の録画、出欠状況の確認 ユーザー1人あたり5TBのストレージ 高度なセキュリティと管理機能(Vaultや高度なエンドポイント管理など) スタンダード サポート(エンハンスト サポートに有料でアップグレード可能) | セキュリティ保護されたカスタムのビジネス用メール・電子情報開示・データ保持・S/MIME暗号化 1000人まで参加可能なビデオ会議・会議の録画・出欠状況の確認・ノイズ キャンセル・ドメイン内ライブストリーミング ユーザー 1 人あたり5TBのストレージ(追加リクエスト可能) 高度なセキュリティ、管理機能、コンプライアンス統制機能(Vault、DLP、データ リージョン、エンタープライズ エンドポイント管理など) エンハンスト サポート(プレミアム サポートに有料でアップグレード可能) |
有料プランでは月額816円(1ユーザーあたり)から始まり、グレードが上がるごとに料金も増加します。大きな違いはビデオ会議の参加人数・ストレージ容量です。
たとえば、Business Starterではビデオ会議が100人まで、ストレージ容量はユーザー1人あたり30GBとなっています。一方で、Business Plusまでグレードが上がるとビデオ会議が500人、ストレージ容量はユーザー1人あたり5TBまで増加します。
また、サポート体制はスタンダード・エンハンスト・プレミアムの3種類に分かれています。大きな違いは、質問への回答時間です。たとえば、スタンダードの場合は4時間を目処に質問へ答えてくれますが、エンハンストであれば1時間で回答を得られます。
Google Workspaceを利用する4つのメリット
Google Workspaceを利用するメリットとして、以下の4つがあげられます。
- 働き方の多様化を促進できる
- 社内コミュニケーションを活性化できる
- セキュリティを強化できる
- アプリ同士連携によって活用幅が増える
上記のメリットがコストに見合うかどうかを事前に検証しておきましょう。
1.多様な働き方に対応できる
Google Workspaceを導入すれば、多様な働き方に対応できます。Google Workspaceはクラウドベースのサービスであるため、どこからでもアクセスできるのが大きな特徴です。オフィスにいなくてもスムーズに業務が遂行でき、テレワークを後押しします。
ファイルの共有・同時編集・オンラインミーティングなどの機能により、場所を選ばずにチームで作業が可能です。セキュリティ面でもIT部門による一元管理が可能なため、従業員のモバイル活用を安心して推進できます。
2.社内コミュニケーションを活性化できる
社内コミュニケーションを活性化できる点も、Google Workspaceのメリットです。Google Workspaceには、コミュニケーションツールとしてGoogle Chat・Google Meetが含まれています。上記のアプリを活用すれば、場所に関係なくリアルタイムでのメッセージ交換・ビデオ会議が可能です。
特にテレワークが広がるなかで、上記のツールは社内コミュニケーションを活性化するうえで重要な役割を果たします。場所を問わずに円滑なコミュニケーションを実現でき、離れた場所にいても生産的な議論・情報共有が可能です。
コミュニケーションの活性化は、社内の生産性向上・組織一体感につながります。
3.セキュリティを強化できる
社内のセキュリティ強化に貢献できる点も、Google Workspaceのメリットです。Google Workspaceは、クラウドサービスならではのセキュリティ機能を備えています。アクセス権限の設定・デバイス管理など、IT管理者による一元的な制御が可能です。
不審な活動の検知・ログの取得など、セキュリティ監視機能も充実しています。
4.アプリ同士連携によって活用幅が増える
Google Workspaceは、アプリ同士の連携によって活用幅が増える点も特徴です。Google Workspaceは、Gmail・Google ドライブ・Google ドキュメントなど、複数のアプリがワンパッケージになっています。上記のアプリは連携機能が備わっており、上手く活用して業務の効率化を図れる点は大きなメリットです。
たとえば、Gmailからドライブに保存されているファイルに直接アクセスして添付できます。Gmailで共有した予定を自動でカレンダーに反映させることも可能です。
ほかにも、外部のシステム・ツールとの連携にも対応しています。
Google Workspaceの使い方・活用事例
Google Workspaceの使い方・活用事例として、以下の2つがあげられます。
- テレワークの推進
- 社内セキュリティの強化
Google Workspaceを活用する際は、以下の使い方・活用事例を参考にしてください。
1.テレワークの推進
Google Workspaceはテレワークの推進に活用できます。Googleドライブ・ドキュメント・スプレッドシートなどのクラウドツールにより、場所を問わずファイルの共有・編集が可能です。Googleカレンダーとの連携で、テレワーク中のスケジュール管理も簡単に行えます。
Google Meetのビデオ会議機能・Google Chatのチャット機能によって、離れた場所にいる従業員同士のコミュニケーションも活性化できます。
2.社内セキュリティの強化
社内セキュリティの強化にもGoogle Workspaceは有効です。Google Workspaceでは、ユーザー管理・アクセス権限設定など管理者による一元的な制御が行えます。不審な動きの検知・ログの取得など、情報漏洩対策も実施可能です。
近年は従業員が個人でインストールしたアプリを業務に利用してしまい、情報流出・ウイルス感染などの被害に遭うシャドーITも問題となっています。
Google Workspaceをスムーズに導入するポイント
Google Workspaceをスムーズに導入するポイントとして、以下の2つが挙げられます。
- 自社に合ったプランを選択する
- Googleの運用サポートを活用する
Google Workspaceを導入する際は、以下のポイントを参考にしてください。
1.自社に合ったプランを選択する
Google Workspaceを導入する際は、自社に合ったプランを選択しましょう。Google Workspaceには、個人向けの無料プラン・企業向けの有料プランが用意されています。
無料プランは個人・小規模ビジネスユーザー向けで、基本的なアプリ機能が利用できます。一方、有料プランでは、ユーザー管理・セキュリティ設定など企業向けの高度な機能が提供されている点が特徴です。
2.Googleの運用サポートを活用する
Google Workspaceの導入にあたっては、Googleが提供するさまざまなサポートを活用しましょう。Googleの公式サイトにはユーザーガイドなど、操作方法の習得に役立つ情報が豊富に用意されています。有料プランであれば、専門チームによるサポートも利用可能です。
Googleが提供するさまざまなリソースを活用すれば、社内浸透・運用をスムーズに行えます。
まとめ
Google Workspaceは、企業のDXを強力に支援するクラウドベースのツールパッケージです。リモートワークの推進・社内コミュニケーションの活性化・セキュリティの強化など、企業の多様な課題解決に貢献します。
無料の個人向けプランから企業向けの有料プランまで、組織のニーズに合わせて柔軟に選択できるのが特徴です。Gmail・Google ドライブ・Google ドキュメントなどの基本機能に加え、ユーザー管理・アクセス制御などセキュリティ面でも優れた機能を備えています。
アプリ同士の連携が充実しており、業務の効率化・生産性の向上が期待できます。導入にあたっては、最適なプランの選択・Googleのサポート活用が重要です。Google Workspaceを活用し、業務の効率化から人材不足解消・売上拡大などの成果につなげましょう。