外壁塗装業者として独立したものの、「思ったより仕事を取れない…良い方法ないかな」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
近年は大手のホームセンターが参入してくるなど、以前よりも仕事を取りにくい状況になっています。
今までの営業方法が通用しなくなっている現代では、外壁塗装業は「新しい仕事の取り方」が求められるでしょう。
本記事では仕事が取れない外壁塗装会社の問題点を挙げ、安定して受注する7つの方法をまとめました。
この記事を読むと元請け・直請けの仕事を増やして、下請けから脱却できるようになるでしょう。
外壁塗装業が仕事の取り方で悩む理由3つ
住宅の寿命が延びたことでリフォームの市場拡大が予想されており、今後外壁塗装の需要も増すと考えられています。しかし同時に競争が激しくなり、市場では仕事の取り合いになるといえるでしょう。
またこれまで会社や先輩から受け継いできた「仕事の取り方」が通用しなくなる可能性が高く、「仕事の取り方」を工夫していかなければ将来的に生き残れません。
外壁塗装業の現状や将来性については、以下の記事でまとめてあります。
この項目では仕事の取り方で悩む理由についてまとめましたので、まずは原因から確認していきましょう。
1.訪問営業・チラシが通用しなくなっている
多くの外壁塗装業者が取り組んでいた訪問営業・チラシの配布。従来までは効果的な手段として活用しやすい仕事の取り方でした。
しかし、
- 定価が定まっていない
- 外壁が外から見えるため営業しやすい
- 時間が経たないと工事の善し悪しがわからない
が理由となり、訪問営業・チラシ配布を活用して「高額請求」や「手抜き工事」を行う悪徳業者が増加。
そのため消費者は外壁塗装業者に対して悪いイメージを持ちやすく、今では訪問営業・チラシ配布で仕事を取りづらくなりました。
また近年ではスマートフォンやパソコンを使って業者を調べる消費者が多く、昔と比べて「消費者が問い合わせにつながるまでの行動」にも変化があります。
そのため先輩の経営者などに教えてもらった「紹介営業」といった、企業の認知度・人脈を活用した仕事のとり方も成果が出ないケースがほとんど。
したがって今後はWebを活用した集客など、時代にあった仕事の取り方を実践することが重要です。
2.下請けでしか受注していない
「仕事は取れても売上が伸びずに困っている…」という外壁塗装会社の問題点としては、下請のみの受注スタイルとなっている場合が多いです。
下請けでしか仕事を取れていなければ、以下のように負の連鎖に陥りやすくなります。
- 1案件の利益が少ない
- 多くの仕事をこなさないと売上がたたない
- ほかの案件に時間を使えない・新規営業ができない
- 元請けに依存する
とくに下請け状態が長ければ長いほど自社集客力は向上せず、いつまでたっても新規の仕事を取れない状況になってしまうでしょう。
そのため一刻もはやく下請けを脱却し、まずは元請けとして利益率の高い案件を受注することが重要になります。
3.ホームページがない・活用していない
地域や規模に関係なく、ホームページがない・活用できていない外壁塗装会社は、根本的に仕事を取るための体制が整っていないと考えましょう。
なぜなら現代のインターネット社会では、消費者はGoogleやYahoo!JAPANなどの検索サイトで「外壁塗装 大阪市」「リフォーム 外壁」などと検索をしています。このようなキーワードで検索したときに表示されるホームページは「信頼の材料」となるため、外壁塗装業ではホームページの活用が必須だといえます。
ただし会社情報をただ掲載しているだけで問い合わせを獲得できるわけではありません。
あくまで顧客の求める情報・自社の魅力が伝わる内容が重要です。
外壁塗装の仕事の取り方7つ
訪問営業やチラシが通用しなくなり、今後は仕事を取るうえでホームページの活用が必須です。
ただし訪問営業やチラシに効果がないわけではなく、オンライン(Web)とオフライン(従来型)を組み合わせるのが効果的。そのため仕事の取り方では、各手法の特徴から自社に合う組み合わせを考えましょう。
1.訪問営業
訪問営業とは、営業スタッフが個人宅・企業に直接訪問し、積極的にアプローチすることで成約を獲得する方法です。
外壁塗装業では「建物の外観」を見ることで、見込み顧客になりえるかが判断できます。
そのためエリアを決めて建物を見てまわり、候補となる所を定めてから訪問する流れが一般的です。
ただし訪問営業は不信感を与えやすく、優秀な営業スタッフでも月3件ほどの成約数といえるでしょう。
そのため事前にテレアポでアポ取り、施工現場の近くに挨拶まわりとして訪問など、信頼を得られる立ち回りが重要になります。
2.チラシ・ポスティング
訪問営業につづき、チラシ・ポスティングも昔から活用されている仕事の取り方です。
手軽に実行できる点が強みとなり、認知を高めるうえでは効果的な手法といえるでしょう。
チラシを活用する際のポイントはこちら。
- 刺さるキャッチコピーを考える
- 明確な強みを訴求する
- 具体性のあるサービス・値段を提示する
- 過去事例を掲載する
- WebサイトのURL(検索方法)を記載
またチラシを見た後にWeb上で調べる顧客も多く、URLの記載や自社がトップに表示される検索キーワード(例:「外壁塗装 企業名」で検索)はかならず記載しましょう。
チラシでは記載できる情報が限られるため、伝えたい内容を絞り、詳細はWebサイトから訴求する流れがおすすめです。
3.看板広告
看板広告は、事務所前や建物に掲載する広告のことです。自社の周辺地域に絞って認知を広げられ、地域密着感を出せる点が強みになります。
ただし記載できる内容は少なく、訴求できる対象範囲の狭さがデメリット。
そのため以下のポイントを意識すると、集客効果を高めやすくなります。
- 看板の少ない場所に設置する
- 通行量の多い場所に設置する
- 既存顧客の多い地域に設置する
外壁塗装は住宅の特徴上、定期的に工事を行う必要があります。
したがって既存顧客に向けて訴求し、自社の看板から工事の必要性を伝えることもおすすめです。
外壁塗装業の広告集客については、以下の記事をご覧ください。
4.見積もりサイト・ポータルサイト
外壁塗装を求めている消費者のなかには、「工事を依頼したいけど、業者の選び方や探し方がわからない」といった人も少なくありません。
そのため複数の業者をまとめて比較できる、一括見積もりサイトやポータルサイトを活用する人が多いのも特徴です。外壁塗装業者としても、登録しているだけで仕事を受けられる可能性があるため、取り入れやすい手法といえるでしょう。
ただし数多くの業者が登録しており、競争率は非常に高いです。
また一般消費者は各業者の違いがわからず、価格帯で依頼先を決めることがほとんど。
したがってポータルサイト経由で仕事を受けたとしても、下請け依頼と同程度、もしくはそれ以下の価格となりやすい点には注意をしましょう。
5.Webサイト運用
Webサイト運用は現代に必須の方法となり、安定して仕事を獲得できる術になります。
なぜならGoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンでは、一度検索結果の上位に表示されれば、長期的に順位を維持しやすいためです。そのためアクセス流入の見込めるキーワードで上位に表示させることで、問い合わせを継続的に受けられるでしょう。
しかし検索上位に表示させるためには、検索エンジンに向けた最適化(SEO対策)や定期的な情報発信が欠かせません。
また問い合わせにつなげるための動線設計も重要なため、ホームページ制作・運用を行う際は、実績のあるプロに依頼することをおすすめします。
6.Web広告
オフライン上の看板広告に対し、GoogleやSNSなどオンライン上に掲載するのがWeb広告です。
オフライン広告と比較すると、以下のメリットがあります。
- 詳細なターゲティングが行える
- 予算に応じて出稿できる
- 数値データから効果検証・改善が行える
看板広告では何人が見たのか、何人が問い合わせにつながったのかを計測できません。
対してWeb広告では数値として効果を計測でき、集客効果を高めやすい点が特徴です。
また即効性が高く、広告予算も数万円〜といった少額資金から出稿できるため、開業したての外壁塗装業者にもおすすめの手法です。
7.SNS集客
InstagramやFacebookをはじめとしたSNSも、仕事を取る方法の一つです。
無料で活用でき、写真・動画・ライブ配信など、さまざまなパターンから訴求できる点が強みになります。
またSNSはユーザー同士でコミュニケーションを取りやすく、見込み顧客との距離を近づけることで、問い合わせにつながりやすい状態まで育成できるでしょう。
ほかにも事例集として工事のビフォーアフター写真を掲載することや、質問を募集して回答するなど、活用方法はさまざま。ただし拡散力が強いことで、悪いイメージが広がる・炎上するケースもあるため、活用方法には注意をしましょう。
企業の正しいSNS活用についてまとめた記事があります。
外壁塗装業が安定して仕事を取るための戦略4つ
単発で仕事を獲得するだけでは、長期的な企業の成長につながりません。
そのため営業スタイルや元請けとしての受注など、根本的な部分を対策することが重要です。
この項目では、外壁塗装業が安定して仕事を取るための4つの戦略を紹介していきます。
1.営業スタイルを見直す
顧客にネガティブな感情を抱かせやすい訪問営業では、「なぜ不安になるのか」を考え、安心させるような営業スタイルを取り入れる必要があります。
たとえば以下のような営業方法はNG。
- 顧客の不安を煽って契約させる
- 大幅な値引き交渉によって提案する
- モニター価格・モニター交渉をする
これらの方法は一見して魅力的に思えるため、お客さまの引きも良いですが、外壁塗装においては信用を失ってしまうことつながります。なぜなら外壁塗装は雑貨や日用品などの単価の安い消耗品ではなく、その後何十年も大切な家を守るものなのです。お客さまは一旦「お得感」につられたとしても、契約には時間をかけて慎重に検討すると考えられるでしょう。
そのため以下のように、顧客の警戒心を解消できる営業方法を実践しましょう。
- 顧客の利益を優先して提案する
- 企業情報・施工実績がわかる資料を用意する
- 具体的な工事範囲・値段から提案する(外壁に5センチのヒビがあるため◯円です。)
2.元請けとして受注する
下請けのまま仕事を増やそうとしても、「新規営業の時間がない」ことや、「契約を取れても現場に回せるスタッフが足りない」といった状況に陥りがちです。
対して元請けとして仕事を受注できれば、利益率の高さから、下請け時よりも少ない受注数で会社の利益向上が見込めます。
また自社で仕事量の調整ができるため、質が高いサービスを提供でき、将来的なリピート・紹介につながりやすいといったメリットも。
そのため自社が元請けになることを目標にしていきましょう。
3.ホームページを作成する
仕事の取り方は複数ありますが、現代ではすべての手法の軸としてホームページが必須と考えましょう。
なぜなら看板広告やチラシなどオフライン(従来型)で興味を持った見込み顧客も、オンライン(Web)で「企業名」や「外壁塗装業者」について検索し、一度はホームページを閲覧する傾向があるためです。
そのため最初に興味をもつ媒体・手法に関係なく、ホームページはどの見込み顧客に対しても通用する集客ツールといえます。ホームページで興味をもたせられれば、多くの顧客を問い合わせにつなげられるため、上手に活用していきましょう。
4.既存顧客にアプローチする
外壁塗装は10〜15年に一度の間隔で工事が必要となるため、既存顧客からも仕事を獲得できるチャンスがあります。
既存顧客へのアプローチは「フォローアップ営業」とも呼ばれ、以下の点がメリット。
- 自社への信頼がある
- ニーズを聞き出しやすい
- 新規顧客よりも契約につながりやすい
一度契約したことがある顧客であれば、自社との関係性が作られています。
そのため本音を拾いやすく、新規顧客よりも少ない労力で受注できるでしょう。
ただし外壁塗装の必要性を感じていない顧客も多いため、顧客限定サービスや割引価格など、魅力に感じる訴求を行うことが重要です。
まとめ
本記事では仕事が取れない外壁塗装業者の特徴を挙げ、安定して受注する7つの方法を解説してきました。
従来までの訪問営業・チラシといった方法だけでは集客効果を得られにくくなった現代では、今後はホームページやSNSなどオンライン型の集客が必須になります。
また根本的な要素として、「信頼性」「元請けになる」の2点が重要。
顧客に不信感を与えない営業スタイルを心がけ、価格よりも「信頼」「安心」を魅力としてアピールしましょう。元請けとして一般のお客さまから直接受注できるように、ホームページを制作・リニューアルすることから始めましょう。