建設業の方であれば、一度は「できるだけ営業活動をせずに新規のお客さまを増やしていきたい…」と考えたことがあるでしょう。近年では建設業界でもマッチングサービスが充実しており、時間をかけずに仕事を受注することや、取引先を増やすことが可能です。
本記事では建設業におすすめのマッチングサイトについて、「集客に強い」「無料で利用できる」「求人に強い」の3つのジャンルから、14個のサービスをまとめました。
自社に合うマッチングサイトの選び方についてもお教えします。
建設業のマッチングサイトとは?利用するメリット3つ
建設業のマッチングサイトとは、職人さんや協力会社を集めたい「発注者」と仕事を取りたい「受注者」を、インターネット上でマッチングさせるサービスのことです。
建設業にマッチングサイトが多い理由として、以下のことが考えられます。
- 将来的な建設需要の低下
- 熟練技術者の高齢化
- 労働者・人材不足
これらの課題を解決できるマッチングサイトのメリットをみてみましょう。
1.新規顧客を獲得できる
1つ目のメリットは、マッチングサイトを通して新規顧客を獲得できることです。
従来の建設業界では人脈・紹介営業が多く、積極的に営業活動を行なっていなかった企業も多いといえるでしょう。
しかし近年では、建設業のお客さまもインターネット上で依頼する会社を探しており、企業はWeb上で集客力を高める必要があります。とはいえ独立して間もない企業やWeb集客のノウハウがない場合、簡単には顧客を獲得できません。
その点マッチングサイトであれば「依頼を考えている」ニーズを持った人が自然に集まります。したがって自社の集客力に影響されず、簡単に新規顧客の開拓手段を得られる点が強みです。
2.営業の負担を減らせる
2つ目のメリットは、営業における業務の負担を減らせることです。
本来であれば、営業担当のスタッフがアポ取り〜商談までを行う必要があります。とくに建設業では契約金額も大きくなるため、アプローチから契約までの期間は長いといえるでしょう。
そのためテレアポの時間、見込み顧客に訪問する時間など、日々多くの時間を費やさなければいけません。
しかしマッチングサイトを活用することで、自社からアプローチすることなく見込み顧客を集められます。
したがって営業の工数を大幅に削減でき、従業員の少ない中小企業や一人親方でも、既存案件と同時進行で新規の顧客獲得が行えます。
またマッチングサイトでは、ホームページのURLを掲載できる点も特徴。なぜならマッチングサイトでは掲載枠が決まっており、掲載可能な文字数や画像に限りがあるからです。
対してホームページであれば、制限されることなく自由に発信ができます。さらにお客さまもマッチングサイトだけを見て依頼する人は少なく、一度はホームページを見てみたいと考える傾向があるため、集客効果を高めるには「マッチングサイトとホームページの組み合わせ」が必須となります。
3.人材雇用にもつながる
3つ目のメリットは、企業の人材雇用にもつながることです。
建設業のマッチングサイトは基本的に「仕事を引き受けること」を目的にしたサービスが多いものの、近年では求人を目的にしたマッチングサイトも存在します。
例えば自社が下請け会社として経営している場合、「案件が被ってしまった」「急な人材不足に陥ってしまった」などの問題が発生することもあるでしょう。
日頃から下請け会社として仕事を引き受けていると、簡単に協力会社や新しい人材を探す余裕はありませんよね。
このような場面でもマッチングサイトであれば、スポットで職人さんを探すことができます。またサイトによっては協力会社とのマッチングも可能なため、急なトラブルにも対応できる点が強みです。
建設業のマッチングを比較するポイント3つ
マッチングサイトといっても、近年ではさまざまな種類のサービスがあるため、どれを選べば良いのか悩まれる方も多いでしょう。そこでマッチングサイトを比較するポイントについて、以下の3点から解説していきます。
- 無料・有料サービス
- 審査の有無
- 契約手数料の有無
1.無料・有料サービス
各マッチングサービスでは複数のプランを提供しているケースが多く、プランごとに無料・有料が異なります。
とくに無料プランでは、有料版とくらべて使用できるサービスが少ない場合も多いため、事前にどの程度のサービスが利用できるのかについて確認しておきましょう。
ほかにもマッチングサービスごとに契約期間・使用料金に違いがあります。そのため使用用途に応じて、無料・有料にするのか、どのプランを選択するのかを決めることが重要です。
2.審査の有無
マッチングサイトでは登録に審査を設けている場合もあるため、事前確認が必須です。
審査を設けている場合と設けていない場合、それぞれのメリット・デメリットについてはこちら。
審査有り(メリット)
- 一定基準の審査を通過しているため、安心して取引できる
- なにかトラブルが発生した場合に対処しやすい
審査有り(デリット)
- 自社が審査に通過するとは限らない
- 導入までに時間がかかる
審査なし(メリット)
- すぐに導入できるマッチングサイトが多い
- 無料で利用できるマッチングサイトが多い
審査なし(デメリット)
- なかには質の悪いお客さん・取引先がある
- トラブルが発生した場合に対処が遅れやすい
ビジネスモデルがBtoBの場合は「審査有り」のほうが安心感を得られるなど、事業によっても選定基準が異なるため、自社状況に合わせて選びましょう。
3.契約手数料の有無
マッチングサイトでは利用手数料の有無にかかわらず、契約が決まった際の「契約手数料」を支払うケースが多いです。
一般的には契約金額の5〜20%が相場と言われており、契約金額が多いほど、契約手数料も高額になります。
とくに建設会社の場合、工事の原価費用や人件費用など、経費の割合が高くなってしまう案件には注意をしましょう。
なぜなら契約金額では売上見込みが立っていても、経費・契約手数料によって、赤字になってしまう可能性もあるからです。
そのためマッチングサイトを選ぶ際は、契約手数料の金額・割合について、そして受注する際の経費なども加味したうえで考えていきましょう。
集客に強い建設業のマッチングサイト比較4選
まずは集客に強い建設業のマッチングサイトを4つ紹介していきます。
1.助太刀
出典:助太刀
「助太刀」は18万事業者が利用している大規模なマッチングサイトとなり、現場で働きたい職人さんと求人を募集している建設会社、協力会社を探している工事会社と建設会社をつなげるサービスです。全部で76職種のカテゴリ分け、そして多くの利用者数を抱えている点が特徴。
また専用のアプリが存在するため、スマートフォンから気軽に活用できる点もメリットといえるでしょう。
ほかにもアプリをとおして案件の申請や建て替えが行われる仕組みとなり、スピード感をもって取引を行いたい場合におすすめのサービスとなります。
2.ツクリンク
出典:ツクリンク
「ツクリンク」は協力会社・元請業者をつなぐマッチングサービスとなり、豊富な機能を無料で利用できる点が特徴です。
- 自社の専用ページを作成
- 協力業者・元請業者の募集
- メッセージ機能
ほかのサービスとは異なり、ツクリンクでは無料会員登録で自社ページを持つことができます。そのためホームページの代替として使用でき、ユーザーに自社情報を詳しく知ってもらえる点が強みといえるでしょう。
また一部有料サービスにはなるものの「保険の認証制度」「工事代金の保証制度」など、サポート体制が整っている点も安心して利用できる特徴となります。
3.KIZUNA
出典:KIZUNA
「KIZUNA」は安心審査制度を導入した、建設業特化型のマッチングサービスです。
運営会社である「株式会社デジタル・コミュニケーションズ」は、20年にわたって建設業界のお客さまと取引してきた実績をもち、建設業者目線で使いやすいサイト設計であることが特徴。
審査制度を導入することで、企業間でも安心して取引を行えるプラットフォームになっています。
また有料プランではオペレーターによる仕事紹介・人材紹介も行ってもらえるため、安定して仕事や人材を確保したいと考えている方におすすめです。
4.デンキング
出典:デンキング
「デンキング」は電気工事業界に特化したマッチングサイトとなり、仕事の受注を増やしたいと考えている「職人さん」と「発注者さん」をつなげるサービスです。
仕事完了後に双方で評価する「独自評価システム」を設けることで、各ユーザーの信頼度を数値化している点が特徴になります。
マッチングサイトでは実際に会うまで相手の詳細な情報がわからないため、不安に感じる場面も多いといえるでしょう。
しかしデンキングのように目に見える評価指標があると、情報だけである程度の信頼性を感じられ、安心してサービスを活用できます。
無料で利用できる建設業のマッチングサイト比較5選
つづいて、無料で利用できる建設業のマッチングサイトを5つ紹介していきます。
6.CAREECON
出典:CAREECON
「CAREECON」は完全無料で会員登録ができ、建設分野の幅広い仕事から、工事案件の受発注を行えるマッチングサービスです。
見やすさを求めたシンプルなサイトデザイン、そして無料で利用できる「ページビューグラフ」「足あと機能」が特徴となり、50万社以上の建設業者が登録しています。
また職人さん側からも元請け募集を行えるため、建設会社にとっても案件を募集することなく、掲示板から職人さん選びを行える点がほかのサービスにはない強みといえるでしょう。
7.案件タンク
出典:案件タンク
株式会社建設みらい総研が運営する「案件タンク」は、業界初となる公共工事案件専門のマッチングサイトです。
建設業許可をもつ会社のみが登録できる仕組みとなり、信頼性の高いサービスであることが特徴。
またマッチングした時点で直接的に連絡を取り合えるため、運営会社を挟まずプライベートな交渉を行える点が独自の強みです。
利用手数料はもちろんのこと、掲載費用や成約手数料なども一切発生しないため、公共工事に関わっている建設会社であれば登録しておくことをおすすめします。
8.ローカルワークスサーチ
出典:ローカルワークスサーチ
「ローカルワークスサーチ」は建設業界に特化した取引先紹介サービスとなり、発注者と受注者それぞれの要望を聞いたうえで、最適な取引先を紹介してもらえる仕組みになります。
自社で仕事掲載やメッセージのやり取りを行う必要がないため、コミュニケーションコストをかけずに利用できる点が最大の強みといえるでしょう。
また成約手数料も発生しないため、気軽に活用しやすいサービスの一つ。はじめてマッチングサイトを利用する方や、日々の時間がない一人親方・個人事業主の方におすすめのサービスとなります。
9.CraftBank
出典:CraftBank
「CraftBank」は建設業界の協力会社マッチングサイトとなり、豊富な情報がそろっているデータベースから、自社に合う工事会社を紹介してもらえるサービスです。
「成果報酬型課金」によって契約前の利用料金は発生しないため、費用を気にせず複数の会社と面談を行える点が特徴。
また運営会社が「中長期的なパートナー関係の構築」を目的にしていることで、長期的な協力を求めるユーザーが集まりやすいといえるでしょう。
したがって期間がある程度定まっている案件を抱えている・複数の案件を依頼したいと考えている場合におすすめのサービスです。
10.現場のヒーロー
出典:現場のヒーロー
「現場のヒーロー」は「教育型建設業マッチングサービス」となり、仕事を探している職人さんは、ランクアップシステムによって仕事の受注幅・報酬が定まる仕組みになっています。
そのため発注側は職人さんの業務レベルを把握しやすく、受注側はWebテストによってランクアップを目指せる点が特徴。
また親方を絞り込み検索できる機能も備わっているため、発注者・受注者ともにマッチングミスを極力避けられる点が、ほかのサービスにはない強みといえるでしょう。
求人に強い建設業のマッチングサイト比較5選
最後に、求人に強い建設業のマッチングサイトを5つ紹介していきます。
11.建築建設biz
出典:建築建設biz
「建築建設biz」は、建設業者と職人さんのマッチング、そして求人情報までを簡単に検索できるサービスです。
建設・建築業界の詳細な業種、そして求人情報の細かい条件から検索できるため、ほかのサービスよりもマッチング精度を高められます。
そのため多くの情報のなかから、効率良く採用活動を進めたいと考えている場合におすすめです。
12.ケンカツ
出典:ケンカツ
「ケンカツ」は建築業界の職人さん・スタッフ採用に特化したサービスとなり、デスクトップPCに加えてLINEで利用できる点が特徴。
また求人以外にも、LINEに送った画像を自動でDropboxに転送する施工管理、ケンカツの管理画面から作成できるオンライン面談など、豊富な便利機能が備わっています。
手軽に利用できることから、多くの企業が活用しやすいサービスといえるでしょう。
13.POWER WORK
出典:POWER WORK
「POWER WORK」は現場仕事をはじめ、運送や警備関連の求人を掲載できるマッチングサイトです。関東の求人件数が多く、一般的な求人サイトのように、さまざまな条件から検索できる点が特徴。
また国土交通省主導の新システム「建設キャリアアップシステム」と連携するなど、求人面に力を注いでいることがわかります。
関東から近畿・福岡まで全国を対象にしているため、スポットの遠征などで活用しやすい媒体になります。
14.請負市場
出典:請負市場
「請負市場」は登録事業社数29,000社以上、掲載案件数12,000以上の大型マッチングサイトです。
元請けと下請け・職人さんのマッチングを目的に、豊富な案件数を掲載している点が特徴。また求人掲載を行っている企業には、入社するまで丁寧なサポートを無料で受けられるため、コストを抑えた求人活動が可能になります。
求職者は60種以上の豊富な案件から選べるため、企業や案件の比較を行いたい場合にもおすすめです。
15.サガツク
出典:サガツク
「サガツク」は地域における建設業界の活性化を目的に、建築業界の情報公開やマッチングサービスを行っています。
本会員登録では「建設組合の組合員のみ」が登録できる制度となり、資格をもつ企業だけが案件募集を行える仕組みに。そのため求職者は安心して仕事へ応募できる体制が整えられています。
また案件募集とは別に、職人仲間や職人への相談などを行える「交流の場」が活用できるため、気軽に利用できる点が当サービスの特徴です。
まとめ
本記事では建設業におすすめのマッチングサイトについて、「集客に強い」「無料で利用できる」「求人に強い」の3つのジャンルから、14個のサービスを解説してきました。
マッチングサービスを選ぶ際は、以下の3点を意識することが大切です。
- 無料・有料サービス
- 審査の有無
- 契約手数料の有無
なかでも仕事を受ける以上、黒字であることが重要なため、契約手数料や経費の計算は必ず行うようにしましょう。