マーケティングで重要な目標設定!手順や考え方をわかりやすく解説!
マーケティングで成果を出すうえで目標設定は欠かせない要素になります。とはいっても「どのように目標設定すれば良いのかわからない…」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事ではマーケティングの目標について、考え方や重要な理由、そして具体的な設定手順の4ステップから解説していきます。
マーケティングの目標とは?
マーケティングの目標とは、企業がマーケティング活動を行ううえでの到達水準を指し、施策を通して達成する基準を決めるものです。
企業や行う事業によってもマーケティングの目標は異なりますが、戦略を考え具体的な行動へと落とし込むためには欠かせない要素といえるでしょう。
また企業という組織で動いている以上、社員の足並みを揃えることも重要です。そのため目標という同一のゴールを定めることで、社員を同じ方向性に向けて動かすことが可能となります。
ここではマーケティングについてや、目標と目的の違いを解説していきます。
そもそもマーケティングとは?
マーケティングとは、企業と顧客の両者が継続して利益を得るためのプロセス作りや、顧客がサービスを手にするための仕組み・市場づくりのことです。
簡潔にいうと、モノを売るための仕組み作りといえるでしょう。
またモノを売る「販売」と混合されやすいですが、マーケティングと販売は異なります。
販売もマーケティングの一部といえますが、顧客を対象に仕組み作りを行うことがマーケティングであるため、販売部門だけでなく企業全体が関わるということ。もっと広い意味でとらえると良いでしょう。
したがってマーケティングでは顧客のことを考え、いかに商品やサービスを売る戦略を立てられるのかが重要となります。
目標と目的の違い
マーケティングの目標について触れると、セットで出てくるのが「マーケティングの目的」です。
目標と目的は同じ意味に感じますが、両者には次のような違いがあります。
- マーケティングの目的:マーケティングを通して実現したい内容
- マーケティングの目標:目的を達成するための到達水準
目的は「何のために頑張るのか」を意味し、マーケティング活動を行う方向性や最終的なゴールを示すものです。
対して目標は、目的を達成するための通過点といえるでしょう。
したがって目的に対する目標は段階ごとにいくつも存在します。
しかし一つの目標に目的は一つであるという点が大きな違いです。
マーケティングに目標設定が重要な理由
マーケティングに取り組むうえでは、設定した目標から計画性のある施策を考える必要があります。
また施策を実施している過程でも目標と現状を常に比較し、効果検証を行うことが重要です。
したがってマーケティングの目標がなければ、ゴール地点のわからないマラソンを走っている状態といえるでしょう。
ここでは、マーケティングに目標設定が重要な理由について解説していきます。
計画性のある施策を行うため
マーケティングを通して成果を出すためには、目標設定を行い、具体的な計画にもとづく施策の実行が重要です。
よくある例として、
無計画な状態でマーケティングに取り組む
⇒なかなか成果を得られない…
といったことがあります。
目標設定や計画性がないと軸が定まらず、やみくもにコストのかかる施策を行ってしまったり、効果のない施策に費用をかけ続けてしまう可能性があります。
また目標なしに打った施策では、自社が達成したい内容に近づいているのかを判断できませんね。
仮に施策自体は成功したとしても、最終的なゴールからは遠ざかっている可能性もあるでしょう。
したがってマーケティング施策の方向性を見失わないためにも、目的(ゴール)までの道筋にいくつもの目標(中継地点)を設定することが大切な要素になります。
施策の効果検証を行うため
マーケティングの目標は、施策の効果検証を行うためにも欠かせない要素です。
成果の見込めるマーケティング施策では、かならずといってもいいほど効果検証から結果の良し悪しを判断します。
なぜなら計画性をもって施策に取り組んだとしても、最初からすべてが思い通りにすすむケースは少ないためです。
どんなに優秀なマーケターに依頼した場合でも、計画からズレてしまうことは十分に考えられるでしょう。
なかには計画段階で気づかず、取り組んではじめて認知することも多いといえます。
そのためマーケティング施策に取り組むうえでは設定した目標と常に比較し、その都度発生した問題点を改善し続けることが重要になります。
マーケティングの目標を設定する4ステップ
マーケティングの目標設定では、最終的な目標から実際の行動まで、逆算して考えることが重要です。
具体的には、以下の4ステップで考えましょう。
- 現状分析
- KGIの設定
- KSFの設定
- KPIの設定
1.現状分析
まずは自社の現状を客観的に分析し、強みや弱みの明確化、そして競合と差別化できるポイントを理解しましょう。
現状分析で活用できるフレームワークはこちら。
- 3C分析:外部環境と内部環境から自社を客観的に分析する手法
- 4P分析:4つの観点から自社の商品・サービスを客観的に分析する手法
マーケティングの目標設定を行う際は、まずは自社について正しく認知し、どのような状況化であるのかを判断する必要があります。なぜなら現状分析ができていないまま目標を設定した場合、現状と大きく乖離してしまい、現実的に達成不可能な状態が懸念されるためです。
したがって達成できる範囲内で考えるためにも、現状分析はかならず取り組みましょう。
2.KGIの設定
KGI(Key Goal Indicator)は「重要目標達成指標」を意味し、マーケティングの最終目標に該当します。
企業としてマーケティングに取り組む際、KGIが最終的な目標達成を示す基準となるため、具体的な数値を用いて設定しましょう。
例えば、
- 売上を向上する
- 顧客数を増加する
というふんわりとした内容では曖昧で、どこまでいけば目標達成なのかを判断できません。
したがって正しいKGI設定は、
- 一年後までにECサイトの売上率を15%向上する
- 3ヶ月で顧客数を現在の100人から1000人までに増加させる
など、誰が見ても目標数値を理解できる内容にしましょう。
3.KSFの設定
KSF(Key Success Factor)は「重要成功要因」を意味し、マーケティングを成功させるために必要な要因のことです。
KGIで設定した最終目標を達成するためには、まずはどのような要素が必要となるのか、KSFとして細分化しながら考えましょう。
具体例は、以下のとおりです。
- KGI:一年後までにECサイトの売上率を15%向上する
- KSF:集客チャネルの増加・ブランドの認知度向上
KGIでは詳細な数値化が必須ですが、KSFでは成功要因のため、多少抽象的な内容でも問題ありません。
ただし設定したKSFから具体的な行動を考えていくため、思いつく成功要因がなくなるまで考えることが重要です。
4.KPIの設定
KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」を意味し、マーケティング施策の達成度をはかる指標となります。KSFで設定した成功要因をもとに、KGIと同じく具体的な数値を用いて実際の行動に落とし込んでいきましょう。
KPIを設定する際は、「SMART」と呼ばれる目標設定に効果的なフレームワークの活用がおすすめです。
SMARTでは以下の5項目にあてはめて、具体性のある目標を定めていきます。
- Specific(明確性)
- Measurable(軽量性)
- Achievable(現実性)
- Related(KGIとの関連性)
- Time-bound(適時性)
例えば、ECサイトの閲覧数を向上させる場合、
- Specific:閲覧数(5,000PV)
- Measurable:増加率(20%)
- Achievable:増加率の推移から判断
- Related:KGIはECサイトの売上向上と設定
- Time-bound:2022年12月31日
となります。
マーケティングでしてはいけない目標設定3つ
目標設定で注意すべきことは、目標の方向性や具体性を間違えないことです。
曖昧な数値の目標設定や現実的でない内容だと、いくら取り組んでも最終目標には届かないばかりか、正しいレールから外れて元の道筋に戻ることすら困難になり、経営難に陥ってしまいます。
そのため目標は、達成可能な範囲内で、具体的に設定することが重要です。
ここでは、マーケティングでしてはいけない目標設定について解説していきます。
1.目標設定の数値が曖昧である
KGIやKPIを設定する際は、目標設定の数値が曖昧にならないように注意をしましょう。
曖昧な数値では目標達成の基準が不明確なため、施策のゴールが定まらず結果をしっかりと判断できません。
また施策を行っている過程でも、現状の進捗確認や測定が行えない状態となります。
2.現状と目標が乖離しすぎている
目標を高く設定するのは良いことですが、現状と乖離しすぎないように注意しなければいけません。
あまりにも現状と目標が乖離していると達成までの基準が高くなるため、現実的な施策が行えない状態となります。
また目標設定のタイミングではやる気があっても、マーケティングに取り組むなかで達成までのビジョンが見えなくなれば、途中で投げ出す可能性もあります。
したがって目標設定時には現状分析をしっかり行い、達成可能な範囲内で確実にすすんでいくことが重要です。
3.短期的な視点でしか設定していない
前述では目標との乖離について触れましたが、逆に短期的な視点ばかりで考えても、最終的な目標を達成できません。
よくある例が、細かくKPIを設定しているものの、ゴールに向けて成長できていない状況です。
例えば「SNSからWebサイトへのアクセス数を増加させる」というKGIに対して、「SNSの投稿頻度を増やす」や「フォロワーを増やす」というKPIばかりではいかがでしょうか。アクセス数につながる要素ではあるものの、SNSのコンテンツ制作に力が入りすぎる可能性があります。
「投稿に対するエンゲージメント」や「ターゲットを絞った投稿」といった目標設定であれば、よりアクセス数につながるKPIといえるでしょう。
マーケティングの目標設定で重要な考え方4つ
マーケティングでは目標設定によって成功が左右されるといっても過言ではありません。
そのため以下のポイントを押さえ、より成功確率や再現性が高い目標を考えていきましょう。
- ロードマップを作成する
- 必要なデータを集める
- 効果検証を行い次の施策に活かす
- 分析できる環境や体制を整える
各々、解説していきます。
1.ロードマップを作成する
目標設定時には施策を含めたロードマップを作成し、全体像をとらえたうえでマーケティングに取り組みましょう。
目標を項目ごとに考える場合、どうしても目標達成までの道筋や手順が不明確となり、一貫性がなくなる恐れがあります。
しかしロードマップを作成することで視覚的に道順を判断でき、迷いのないマーケティングの実施が可能です。
またロードマップがあれば社員で共有する際も役立つため、施策のブレがなくす目的としても有効活用しましょう。
2.必要なデータを集める
前述のロードマップにもつながりますが、目標設定で具体的な計画を立てるためには、材料となるデータが必要です。
仮にデータがなければ根拠のない計画となってしまい、再現性が低い状態となるでしょう。
したがって必要なデータは事前に集め、いつでも活用できる状態にしておくことが重要です。
3.効果検証を行い次の施策に活かす
マーケティングでは設定した目標に対して、かならず効果検証を行いましょう。
効果検証によって反省点や問題点を見つけ出すことで、次回はより精度の高い施策に取り組めます。
また実際に取り組まなければ判明しない問題点も多いため、結果を見て満足するのではなく、良かった点悪かった点を考えることが重要です。
4.分析できる環境や体制を整える
前述の効果検証を行うためには、社内で分析できる環境や体制を整えることが重要です。
Webサイトのアクセス状況やユーザーの行動を確認するには、アクセス解析ツールを。
異なるデータベースの内容を確認するには、専用のサービスやプログラミングスキルをもつ人材が必要です。
ツールやサービスであればいつでも導入できますが、人材の確保は時間がかかるため、目標設定のタイミングで検討しましょう。
まとめ
本記事ではマーケティングの目標について、考え方や重要な理由、そして具体的な設定手順の4ステップから解説してきました。
目標設定をすることで計画性のある施策を実施や効果検証など、マーケティングの方向性を定められます。
明確な答えや正攻法が存在しないからこそ、本記事で紹介した設定手順を参考に具体性のある目標を決め、実際のマーケティングに取り組んでいきましょう。