マーケティングについて調べていると「種類が多すぎてよくわからない…」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
実際マーケティングには数え切れないほどの種類があるため、すべてを網羅することは簡単ではありません。
そこで本記事ではマーケティングの種類について、デジタルマーケティング・リアルマーケティング・その他のマーケティングの3項目から17種類の手法を紹介していきます。
マーケティングの主な種類3つ
マーケティングと一口に言っても、ホームページや動画を活用するものから炎上を利用したものまで、さまざまな種類が存在します。
それぞれを比較すると、対象とする消費者や販売手法に違いがあります。
マーケティングには正解となる答えがないため、扱う商品やサービス、そして企業規模から適するマーケティング戦略を選ぶことが重要です。
こちらでは、代表的な3種類のマーケティングについて解説していきます。
1.マスマーケティング
マスマーケティングとは、不特定多数の大衆に向けて大量に販売するマーケティング手法のこと。
消費者にとっても身近な手法ですがターゲットが多数になるため、多くのコストが必要になります。
代表例
テレビCM・新聞・雑誌
2.ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングとは、ターゲットを明確に定め、直接的なコミュニケーションによって販売するマーケティング手法のこと。
顧客の反応を分析することで、効果検証がしやすいというメリットがあります。
代表例
ECサイト・通信販売
3.ゲリラマーケティング
ゲリラマーケティングとは通常とは違った、革新的なアイデアによって展開するマーケティング手法のこと。
製品やサービスに大きなインパクトを与えることで低コストで効率的に利益を得られるため、中小企業やスモールビジネスでも導入しやすくなっています。
代表例
SNS上でバズりを狙った企画など
マーケティングの分類方法
マーケティングは大きく分けて、「リアルマーケティング」と「デジタルマーケティング」に分類できます。
それぞれの分類は、下記になります。
デジタルマーケティング | リアルマーケティング | その他 |
---|---|---|
SEM(検索エンジンマーケティング) | アウトバウンドマーケティング | オムニチャネルマーケティング |
コンテンツマーケティング | テレマーケティング | ステルスマーケティング |
インバウンドマーケティング | パーソナライズドマーケティング | |
ソーシャルメディアマーケティング | 炎上マーケティング | |
メールマーケティング |
「その他のマーケティング」を含めた3カテゴリのなかのマーケティングの種類について、次の章から詳しく解説していきます。
デジタルマーケティングの種類一覧
デジタルマーケティングとは、インターネットやテクノロジーを活用して行われるマーケティングの手法です。
検索エンジンを活用した手法から、SNSやメールマガジンを活用した手法まで、いまでは数多くの種類があります。
- SEM(検索エンジンマーケティング)
- コンテンツマーケティング
- インバウンドマーケティング
- ソーシャルメディアマーケティング
- メールマーケティング
- 動画マーケティング
- アフィリエイトマーケティング
- バズマーケティング
ここでは、デジタルマーケティングの種類を8つ紹介していきます。
SEM(検索エンジンマーケティング)
SEM(Search Engine Marketing)とは、検索エンジンを活用したマーケティングのことをいいます。
GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンで、検索結果の上位表示に向けた対策や広告の配信を行う手法です。
SEMの主な種類はこちら。
- SEO対策(検索エンジン最適化)
- MEO対策(マップエンジン最適化)
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- 動画広告
Webマーケティングの軸とも言える検索エンジンを活用するため、成功すれば多くのアクセスや反響を得られる点が強みです。
ただしSEO対策やリスティング広告は簡単に効果を得られるわけでないため、専門的な知識や経験が重要となります。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、ユーザーが有益と感じる情報を提供し、時間をかけて自社の顧客やファンへと育てていくマーケティングの手法です。
専門性や具体性を強みに、潜在客へアプローチできる点が最大の特徴といえるでしょう。
コンテンツマーケティングの主な種類はこちら。
- オウンドメディアマーケティング
- ソーシャルメディアマーケティング/li>
- ブログマーケティング
- メールマガジンマーケティング
- 動画マーケティング
- セミナー
扱う媒体や手段に決まりはないため、コンテンツマーケティングにはさまざまな手法が存在します。
発信するコンテンツの内容をターゲットに合わせて選択すると、より多くのユーザーへ有益な情報を提供できるといえるでしょう。
インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングとはホームページやソーシャルメディアを活用し、見込み客が自社に興味を持つように仕向けるマーケティングの手法です。
従来までの企業が積極的に発信するアウトバウンドマーケティングとは異なり、ユーザーからの反応を待つ引き型の営業方法となります。
インバウンドマーケティングが注目されるようになった理由は、インターネットの進化によってユーザーが手軽に情報を仕入れられ、企業からのアプローチを待つ必要がなくなったためです。
また広告の多さやしつこい営業が原因となり、アウトバウンドマーケティングのスタイルに嫌悪感を抱くユーザーが増えたことも理由になります。
そのためインバウンドマーケティングは、いまの時代に適したマーケティングの手法といえるでしょう。
ソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアマーケティングとは、その名の通りFacebookやTwitterなど、ソーシャルメディアを活用したマーケティングの手法です。
SNSマーケティングと混合されやすいですが、ソーシャルメディアマーケティングはより大きな枠と考えましょう。SNS以外にも、ユーザー同士がコミュニケーションを取れるプラットフォームもソーシャルメディアに含まれます。
具体的には以下のような媒体です。
- SNSサービス(Facebook・Twitterなど)
- YouTube
- ニコニコ動画
- 17Live
- ネット掲示板
- 個人ブログ
ソーシャルメディアは年々ユーザー数が増加しているため、企業のマーケティング活動においても欠かせない市場といえます。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、メールの定期的な配信によって顧客に営業活動を行うマーケティングの手法です。
代表的なものがメールマガジンの配信となり、低コストで簡単に始めやすい点が特徴となります。
メールマーケティングの主な種類はこちら。
- メールマガジン
- ステップメール
- リターゲティングメール
- セグメントメール
配信対象によって「セグメントメール」や「リターゲティングメール」などを使い分けられ、戦略をもった配信も可能です。
昔から使われている手法ではあるものの、顧客へ一斉にアプローチできるなどのメリットから多くの企業が活用している手法になります。
動画マーケティング
動画マーケティングとは、その名の通り動画を活用して行われるマーケティングの手法です。
近年は新型コロナウイルスの影響からオンライン化がすすみ、YouTubeや動画配信サービスなど、動画市場が急速に伸びています。
これを受けて多くの企業が動画マーケティングを取り入れており、いま注目されているマーケティングの手法の一つといえるでしょう。
動画マーケティングの主な種類はこちら。
- 動画コンテンツの配信
- インストリーム広告
- インリード広告
- インバナー広告
- バンパー広告
動画マーケティングでは、豊富な広告の種類が特徴です。
6秒間だけ表示される短時間動画から30秒や1分間の長時間動画まで、動画の尺も目的に応じて選択できます。
ユーザーへ視覚的にアピールできるのがメリットで、テレビCMに比べ広告費用を抑えられるため、比較的手軽に始められるマーケティング手法です。
アフィリエイトマーケティング
アフィリエイトマーケティングとは、アフィリエイターに商品を宣伝してもらい、成果に応じて費用を支払うマーケティングの手法です。
基本的にASPと呼ばれるアプリケーションサービスプロバイダを介して、アフィリエイターが商品を選ぶ仕組みとなります。
主要なアフィリエイトプログラムはこちら。
- A8.net
- Amazonアソシエイト
- 楽天アフィリエイト
- もしもアフィリエイト
- JANet
成果報酬制の料金形態が多いため、広告費用を無駄にしない点がメリットです。
ただしアフィリエイターの力量によって商品の売れ行きが決まるため、どの程度売れるのかを予想できない点には注意をしましょう。
バズマーケティング
バズマーケティングとは、戦略的な口コミの増加によって「バズる」を引き起こし、発信した情報を拡散させるマーケティングの手法です。
口コミを活用したマーケティング手法として「バイラルマーケティング」もありますが、バズマーケティングのほうが拡散させることに重きを置き、長期的に話題になる特徴をもちます。
バズマーケティングの主な手法はこちら。
- キャンペーンの実施・配信
- オリジナルハッシュタグを活用した発信
- インフルエンサーを活用した発信
バズマーケティングと相性が良い媒体が、元から拡散力が強いSNSです。
ユーザーの興味を引くキャンペーンやインフルエンサーを活用すれば、SNS上でトレンド入りを目指すこともできるでしょう。
リアルマーケティングの種類一覧
リアルマーケティングとは、顧客と直接コミュニケーションを取り、商品の販売や問い合わせにつなげるマーケティングの手法です。
インターネットが普及する以前から使われている手法のため、営業の軸としている企業も多いといえるでしょう。
- アウトバウンドマーケティング
- テレマーケティング
ここでは、リアルマーケティングの手法を紹介していきます。
アウトバウンドマーケティング
アウトバウンドマーケティングとは、企業側から見込み客へ情報を発信し、直接的に営業活動を行うマーケティングの手法です。
インターネットが広がる以前から活用されており、世間一般の営業に対するイメージが、まさにアウトバウンドマーケティングに該当するといえるでしょう。
アウトバウンドマーケティングの主な種類はこちら。
- テレビCMの配信
- 新聞の掲載
- ダイレクトメールの送付
- 展示会・イベントの開催
- テレマーケティング
基本的に大衆に向けた営業方法が多く、企業のブランディング効果や認知度の向上に効果的な手法です。
ただし押し型の営業となるため、嫌悪感を抱くユーザーも一定数います。
そのためユーザーのことを考え、迷惑にならない範囲内で行うようにしましょう。
テレマーケティング
テレマーケティングとは、電話を活用して顧客と直接コミュニケーションを図るマーケティングの手法です。
テレフォンマーケティングの略となり、主に自社の顧客に対して商品やサービスの販売を行います。
従来までは電話帳を活用した電話営業という意味でしたが、現代ではWebサイトの閲覧者やセミナーの参加者など、顧客情報のデータベースを元にアプローチすることが一般的です。
また電話を活用したマーケティングと聞くと、テレアポを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
似ている言葉ではありますがテレアポは新規客に対するアプローチがメインとなり、顧客ではない相手にも営業を行う点が違いです。
テレマーケティングには2種類の手法が存在します。
アウトバウンド
企業から顧客へ電話をかける手法。事前に顧客をリスト化し、目的をもって営業を行う。
インバウンド
顧客からかかってくる電話に対応する手法。すでに興味を持っている顧客のため、成約につながりやすい。
インターネットを活用したマーケティングとは違い、顧客と直接的にかかわることがテレマーケティングの強みです。人対人のため、声のトーンや感情が重要なポイントになります。
その他のマーケティング一覧
その他のマーケティングには、インターネットやリアルは関係せず、別視点の目的をもったマーケティングの手法となります。
- オムニチャネルマーケティング
- ステルスマーケティング
- パーソナライズドマーケティング
- 炎上マーケティング
ここでは、その他のマーケティングの手法を4つ紹介していきます。
オムニチャネルマーケティング
オムニチャネルマーケティングとはECサイトとモバイルアプリなど、複数のチャネルから顧客とコミュニケーションを図るマーケティングの手法です。
「オムニバス」という言葉が有名ですが、オムニバスは「包括する」という意味があります。
オムニチャネルマーケティングも、さまざまなチャネル(販売経路)を包括したマーケティングと考えると良いでしょう。
従来までは実店舗で販売することが一般的でしたが、現代ではインターネットやテクノロジーの進化により、さまざまな販売方法があります。
そのため顧客のいるチャネルに対応することが、売上を高めるポイントといえるでしょう。
オムニチャネルマーケティングの例
- モバイルアプリから店舗の在庫が確認できる
- 店頭のPOPを読み込むと、置いてある食材のレシピが見られる
- 店頭のQRコードを読み込むと、アプリからアイテムを購入できる
今後はより多くのオムニチャネルマーケティングが増加すると考えられるため、企業の成功事例などを参考に取り組むことをおすすめします。
ステルスマーケティング
ステルスマーケティングとは、宣伝行為と感じさせることなく商品を販売するマーケティングの手法です。
「ステマ」や「ヤラセ」とも言い、企業のステルスマーケティングが発覚した場合は炎上する可能性が高いため、注意をしなければいけません。
過去の事例では、2019年に映画「アナと雪の女王2」について描かれた複数のマンガがSNS上に投稿され、ステルスマーケティングだと話題になりました。
ウォルト・ディズニー・ジャパン側は否定をしているものの、明らかに不自然な投稿から問題視された事例です。
ほかにも芸能人を起用したステルスマーケティングは問題視されることが多く、一般的なユーザーからは反感を買う恐れがあります。
そのため基本的にはステルスマーケティングではなく、堂々と宣伝し販売していきましょう。
パーソナライズドマーケティング
パーソナライズドマーケティングとは、顧客一人ひとりの特徴やニーズに合わせて、最適な方法でマーケティング活動を行う手法です。
インターネット上の閲覧履歴や購入履歴など、ビックデータを活用することで詳細なパーソナライズが可能となります。
パーソナライズドマーケティングの例
- ECサイトのおすすめ商品
- 音楽アプリのおすすめプレイリスト
- SNSのおすすめユーザー
- Web広告のリターゲティング機能
情報や商品が多い現代だからこそ、ユーザーにとって最適な提案をできれば成約率を高められます。
ただししつこい発信はユーザーを不快に感じさせることがあるため注意をしましょう。
炎上マーケティング
炎上マーケティングとは意図的に炎上する状態を作り、人々の話題にあがることで情報を拡散するマーケティングの手法です。
拡散力の強い手法ではあるものの、内容によっては悪い印象を残すこともあります。なかには炎上が過激化し、事件として扱われるケースもあるでしょう。
そのため内容には細心の注意を払い、間違っても他人を傷つけることがないように気をつけて発信しましょう。
まとめ
本記事ではマーケティングの種類について、デジタルマーケティング・リアルマーケティング・その他のマーケティングの3項目から17種類の手法を紹介してきました。
自社に適するマーケティング戦略を見つけるためには、特徴やアプローチ方法を理解し、目的に応じて選択することが重要です。
特にデジタルマーケティングはトレンドに影響されるため、扱う媒体や最新のマーケティング情報にも注目しましょう。