「インスタ映え」という言葉が流行ったのは記憶に新しいですが、Instagramはいまや欠かせない集客ツールの一つとなっています。特に写真でデザイン性をアピールできるインスタは、設計事務所と相性が良いといえます。
しかしいざ運用しようと思っても「何を投稿すればいいの?」と悩んでいる設計事務所の方も多いのではないでしょうか。SNSは無料で始めることができ、簡単そうに見えますが正しい知識がないと集客効果が得られません。
そこで本記事では、設計事務所のInstagramアカウント成功事例6選をご紹介し、集客につながる4つの活用術をまとめました。
設計事務所がインスタを活用すべき理由とは?
現代ではさまざまな種類の集客方法が存在しますが、なかでもインスタ集客は設計事務所に欠かせない手法の一つといえるでしょう。なぜならInstagramは設計事務所のメインターゲットである20~30代の利用率が高く、住宅の情報収集に活用されているからです。
ここでは以下の2点から、設計事務所がInstagramを活用すべき理由について解説していきます。
- 20・30代のユーザーへアプローチできる
- 情報収集を目的に活用されている
そのほかのSNSについて解説した記事もあります。
20・30代のユーザーへアプローチできる
Instagramを活用する最大の強みは、住宅購入を検討する20・30代のメインターゲットへアプローチできる点です。
引用:Insta Lab
上記の資料に記載あるとおり、ユーザー数は20代が最も多く、次いで30代の割合が高くなります。
女性だけでなく男性も同様の結果となっていることから、若年層を中心に人気のあるSNSであるといえるでしょう。
これは設計事務所のメインターゲットの年齢層と一致します。そのため設計事務所がInstagramを活用することで、効率良く見込み顧客へ自社の認知拡大、問い合わせの促しが行なえます。またInstagramでは写真投稿がメインとなり、文字だけでは伝えにくい住宅の内装・外装写真から具体的な訴求が可能。
「インスタ映え」を狙ったオシャレな投稿は20・30代から反応を得やすく、設計事務所では活用しない手はない集客媒体といえます。
情報収集を目的に活用されている
InstagramをはじめとしたSNSはコミュニケーションツールとして、もともと「友人・知人とのつながり」を目的に利用する人が多かったものの、現在では情報収集のツールとしても活用されています。
例えばSNSを利用することで気軽に第三者の意見を確認できるため、設計事務所の口コミを調査するユーザーは多いといえるでしょう。またSNSをはじめる芸能人や影響力をもつインフルエンサーが増えたことで、あこがれの人と同じ住宅を建てたいと考える人も少なくありません。
このようにInstagramは比較検討の段階で活用されることから、購買のきっかけになりやすい点が特徴です。
またユーザーは気に入ったコンテンツの保存ができるため、将来的に住宅購入を考えている層など、長期的な目線でアプローチできる点もメリットといえるでしょう。
設計事務所のInstagram活用術4選
ここではInstagramの活用術について、以下の4つから具体的な方法を解説していきます。
- 設計事例からコンセプトを伝える
- 設計・家づくりの知識を発信する
- ユーザーとのコミュニケーションを強化する
- 企業の雰囲気を伝えて採用に活かす
1.設計事例からコンセプトを伝える
Instagramは写真を投稿することが主な運用方法となるため、設計事務所ではカタログとして設計事例を掲載していきましょう。設計事例・施工事例を掲載することで、写真をとおして自社の魅力やコンセプトを伝えられるからです。
仮に文字だけでデザインを紹介しても、すべてのユーザーが想像力を働かせて内容を理解できるとは限りません。一般的に建築物はテキストよりも写真のほうが多くの情報を伝えられ、住宅を建てた際の具体的なイメージをもたせられます。
また投稿する際は自社が得意なスタイルに絞ることがおすすめ。「〇〇株式会社はこの設計スタイルが得意なのか」と企業ブランディングにも効果的です。
2.設計・家づくりの知識を発信する
施工事例以外にも、「設計に関する知識」や「家づくりで知っておくべきこと」など、ユーザーに役立つ情報発信も集客につながる活用方法です。
住宅購入は、大半の人が人生で一度あるかないかのイベントといえるでしょう。そのため購入後に後悔しないためにも、多くのユーザーは半年~1年以上じっくりと時間をかけて家に関する勉強をしたり、情報を集めたりします。たとえば間取りや自分たちのライフスタイルに合う生活導線、外構の知識などを投稿しているアカウントはインスタでも人気を集めています。
そこで設計士という専門家目線で情報を発信することで、ユーザーの興味を集め、ニーズに沿ったアカウント運用が可能です。また自社の専門性を効率良くアピールでき、企業の信頼獲得にもつながるでしょう。
3.ユーザーとのコミュニケーションを強化する
SNSは「Social Networking Service」の略となり、利用ユーザー同士で気軽にコミュニケーションを取れることがメリットです。
なかでもInstagramではストーリーズ機能やライブ配信機能があり、さまざまな方法でコミュニケーションを強化できる媒体となります。
活用例
- ストリーズで質問を受け付け、回答内容を投稿する
- ライブ配信をとおして相談会・勉強会を開催する
住宅購入はとくに「信頼できる企業であるのか」が重要視されるため、コメントしてくれた相手への返信だけでは淡白なやり取りになりがちです。そのためライブ配信によってリアルタイムで対応することで、自社への安心感をあたえられ、ユーザーが問い合わせにつながりやすい状態をつくれます。
4.企業の雰囲気を伝えて採用に活かす
Instagramは認知拡大・問い合わせの促しなど集客ツールとして活用することがメインですが、企業情報を発信することで求人広告としても活用可能です。
例えば仕事の様子を発信することで、設計士に興味をもつユーザーもいるでしょう。
また社内スタッフの集合写真やインタビュー動画を投稿すれば、自社で働きたいと思わせることができます。
このように「どのような人が働いているのか」や「どのような仕事をしているのか」など、求職者が求めている企業の雰囲気を伝えていくことが重要です。
SNSの使い方を解説した記事もありますので参考にしてください。
設計事務所がInstagram集客を成功させるコツ3つ
Instagramの集客効果を高めるには、集客導線や日々の投稿など、ポイントを押さえた運用が重要です。
ここでは集客を成功させるコツについて、以下の3つから解説していきます。
- Webサイトへ流入する
- 投稿スタイルを統一する
- ハッシュタグを活用する
1.Webサイトへ流入する
Instagram集客の前提として押さえておくべきことは、いかにWebサイトへの流入を増やせるかです。
アカウント運用をすすめていくと、
「フォロワーは増えたけど、問い合わせにつながらない…」
といった壁にぶつかる方が多くいらっしゃいますが、原因はInstagram単体で集客を完結させようとしている点。
Instagramは興味をもたせることに向いているものの、伝えられる情報量は多くありません。
そのためInstagramのみで成約につなげることは非常に難しいといえるでしょう。
そこで「詳しくはWebサイトへ…」といったように、サービス情報や依頼後の流れについてはWebサイトをとおして伝えることで、濃い情報をしっかりと理解してもらえます。ただしWebサイトが機能していなければ意味がないため、問い合わせにつなげる導線設計やユーザーの役に立つコンテンツなど、集客を意識したホームページ制作・リニューアルが欠かせません。
2.投稿スタイルを統一する
視覚的アプローチが重要なInstagramでは、投稿するコンテンツのスタイルを統一するようにしましょう。
なぜなら設計事務所ではデザイン性が問われるため、オシャレな雰囲気を出すことで興味をもたせやすくなるからです。例えば写真の編集スタイルが定まっていれば、見栄えもよくアカウントならではの統一感が生まれます。
しかし毎回写真の加工の仕方が違ったり、構図がバラバラといったアカウントは、投稿一覧が見づらく「オシャレ」と感じることはないでしょう。またあまりにも統一性のない投稿であれば、早期の離脱を促す原因になります。
したがって編集方法やコンセプトとなる色を事前に決め、自社ならではのイメージ定着を図っていくことが重要です。
3.ハッシュタグを活用する
SNSは拡散力の高さが魅力ですが、投稿するたびに何千何万人に見られるほど簡単なものではありません。
特にアカウント開設初期はフォロワー数が少なく注目を集めにくい状態のため、ハッシュタグを活用して検索結果に表示されやすくしましょう。
ハッシュタグの活用例
- # 設計事務所
- # 住宅デザイン
- # 住宅設計
また通常の投稿は時系列順に表示される仕組みとなり、過去の投稿は埋もれてしまいます。
しかしハッシュタグで検索された場合は関連性が影響するため、再度上位に表示される点が特徴です。
ただしハッシュタグの多用はマイナスイメージを与える恐れもあります。そのため自社との関係性を意識し、重要なキーワードに絞って加えるようにしましょう。
設計事務所のInstagram事例【カタログ型】
では、設計事務所のインスタ成功事例をご紹介していきます。
まずはカタログ型のInstagram事例について、以下の2つから解説していきます。
- 藤原・室建築設計事務所
- 川添純一郎建築設計事務所
藤原・室建築設計事務所
出典:藤原・室建築設計事務所
藤原・室建築設計事務所は「おもしろい空間」をコンセプトに、関西を中心に20年で200件以上の実績をもつ会社です。
住宅や別荘をはじめ、オフィス・店舗など幅広い設計を手掛けている点が特徴。
投稿されている写真からはスタイリッシュなデザインを感じられ、まるで分厚いカタログを見ているようなコンテンツ量が最大の強みといえるでしょう。
また外観写真では夕方・夜時間に撮影することで、室内の明かりを含めたデザイン性を上手に演出しています。
画角や空間の演出力など、多くの設計事務所が参考にすべきアカウントの一つです。
川添純一郎建築設計事務所
出典:川添純一郎建築設計事務所
川添純一郎建築設計事務所は創業2000年、過去には「2022 A’ Design Award silver受賞」をはじめ数多くの受賞歴をもつ実力派の会社です。美術館などの建築物も手掛けており、住宅では平屋や中庭付きの設計を得意としています。
投稿からは「空間の広さ」や「居心地の良さ」を感じられ、生活感を演出する人物や家具の使い方が特徴といえるでしょう。また外観の素材をアップした写真も投稿しており、遠目ではわからない質感を知れる点は注目すべきポイントです。
設計事務所のInstagram事例【コンテンツ型】
次にコンテンツ型のInstagram事例について、以下の2つから解説していきます。
- 河野ひかり/コラボハウス一級建築士事務所
- 若狭 龍成 /コラボハウス一級建築士事務所
河野ひかり/コラボハウス一級建築士事務所
コラボハウス一級建築士事務所は、「設計士が直接家づくりをお手伝いする」をコンセプトに、設計士との密接なコミュニケーションが魅力の会社です。
一般的な投稿とは異なり、過去事例の写真には使用した素材の説明が記載されています。
知識のない方でも投稿内容を見るだけでデザインの特徴を理解できるため、知識を深めながら楽しめる点が特徴。
Instagramでは「参考デザインを探したい」と考えているユーザーも多く、顧客ニーズに沿ったアカウント運用によって、多くのフォロワー獲得につながっています。
若狭 龍成 /コラボハウス一級建築士事務所
前述と同じコラボハウス一級建築士事務所ですが、設計士の方が異なるアカウントになります。
若狭 龍成氏はデザイナーとしても活動しており、Instagramアカウントでは手書きのスケッチが特徴です。
外観がメインとなるものの、実物を見ているかのようなリアリティのある絵は、十分にデザインの個性を感じられる仕上がり。
また投稿内容によっては設計する際の「工夫した要素」や「こだわり」を発信していることから、自身の魅力から多くのファン獲得につながっているアカウントです。
設計事務所のInstagram事例【コミュニケーション型】
最後にコミュニケーション型のInstagram事例について、以下の2つから解説していきます。
- 桧家住宅シアーズホーム
- 有限会社アーキデザインクラフト
桧家住宅シアーズホーム
出典:桧家住宅シアーズホーム
桧家住宅シアーズホームは桧家住宅である「アクアフォーム」などの独自工法を強みに、福岡県を中心に住宅の設計・施行を行っている会社です。
アカウントを見てまず注目する箇所は、自己紹介欄に記載された「アマゾンギフトカードのキャンペーン情報」。
展示会や見学会につなげる要素として打ち出しており、Webサイトへ上手に誘導する流れが組まれています。
また日々の投稿ではワンポイント解説や画像編集から明るいイメージを感じられ、親しみやすさが魅力のアカウントといえるでしょう。重要な情報はストーリーズのアーカイブとしてまとめるなど、ユーザー行動を考えた設計は参考になります。
有限会社アーキデザインクラフト
有限会社アーキデザインクラフトは東京都千代田区を中心とした地域密着型の会社です。
手掛けた住宅では一般的なものから狭小住宅まで、地域の特性を活かした空間演出力が特徴になります。
投稿内容はユーザーの知りたい情報をシリーズ化して紹介するなど、過去の事例以外にも専門家としての意見を積極的に発信。
またストーリーズではアンケートによって質問や意見を集めており、顧客に寄り添ったアカウント運用が特徴です。
このようにコミュニケーションにフォーカスした運用は、企業の信頼獲得に効果的な方法となります。
まとめ
本記事ではカタログ型・コンテンツ型・コミュニケーション型という3つのジャンルから設計事務所のインスタ成功事例を6つ紹介し、集客につながる4つの活用術を解説してきました。
Instagramはアパレルや美容業界のイメージが強いものの、写真の訴求に向いている設計事務所は親和性が高い業界です。
またストーリーズ機能やライブ配信によってユーザーとの関係性を強化でき、SNS上で悩みや疑問の解決が行えます。ただしInstagram単体では決め手に欠けるため、Webサイトを活用するなど問い合わせにつなげる媒体を用意しましょう。