この記事では、足場工事会社・足場組立会社のホームページ事例をジャンル別に11選ご紹介します。
さらに、各事例の参考ポイントや入れるべき項目についてもわかりやすく解説します。
足場工事会社がホームページを制作する理由とは?
「足場会社のホームページ作成をする」と一言でいっても、目的によってホームページ制作の仕方が異なります。
ホームページ制作はそれなりに時間とコストを要するため、自社のケースに合っており、効果が見込めるホームページを制作したいですよね。ここでは、自社がホームページ制作をする目的を、以下を参考に考えてみましょう。
仕事が欲しい
「足場工事の仕事が欲しい場合」は、ホームページ制作の目的としては「集客」です。
求人募集でなければ、受注を増やす目的であることが大半でしょう。
東京オリンピック需要は終わりましたが、今後も首都圏を中心とした再開発・大阪万博や統合型リゾート(IR)に伴う近畿圏の再開発などの計画も進んでいるため、いま建設業に対する需要はとても大きく、もっとも人手が必要とされている業種ともいわれています。そこで頼りになるのが、足場業者の存在です。建設業者が、技術・経験値ともに優れた足場業者と協力関係を結ぶことにより、業務において対応できる幅が広がり、大型案件を獲得できる可能性も高くなります。
しかし、足場組立・足場機材の会社は表立ってアピールすることが少ないため、認知度が低いことが課題として挙げられます。そこでWeb上の名刺ともいえるホームページが役に立ちます。なぜならBtoBにおいてもインターネットで情報をリサーチする方が増えているため、「足場 大阪」などで検索したときに自社サイトが表示されれば、認知してもらえます。またホームページに自社の理念や実績を掲載し、取引先に見てもらうことで信頼性が上がるでしょう。
したがって、足場業者はまず自社を知ってもらうため、ホームページを制作することが最適であるといえるでしょう。
職人を募集したい
建設業界は深刻な人手不足であることがほとんどです。
建設業の人手不足の大きな原因は、建設業界に興味を持つ若者が少なくなっていること。理由として、建設業に対する「3K(きつい・汚い・危険)」の印象が強く残ることが原因としてあげられます。建設業ではいまだに週休二日制が定着していなかったり、肉体労働であったりと「きつい」と感じる場面も少なくありません。離職率が高いことも人手不足の原因で、建設業における賃金の低さと、長時間労働であることが要因だと言われています。
人手不足を解決するには、建設業界に興味を持っていない若者に興味を持ってもらわなければなりません。そのためには、若者の建設業に対するイメージを改善するとともに、改善点や改善結果が反映されたホームページを制作することをおすすめします。
- 中小製造業の現場で活躍する若手人材のかっこいい姿の写真や動画を掲載する
- 福利厚生についての詳細を掲載する
- オフラインでは、大型重機の試乗会・見学会などの施策を行って人を呼び、建設業との接点をつくる
このように、企業のことを知れる、接点をもつきっかけをつくる・発信できるプラットフォームとして、ホームページをもつことは非常に効果的といえるでしょう。
建設業界について解説した記事もありますので参考にしてください。
足場工事会社のホームページに載せるべき4つの要素
ここまで、ホームページ制作の目的が「足場工事の仕事が欲しい場合」と「足場職人を探している場合」の2パターンがあることをご紹介しました。では、いよいよホームページ制作に取り掛かります。
ですがその前に、知っておきたいポイントが4つあります。
それはホームページ集客成功の鍵となる外せない要素や、ホームページ制作に取り掛かる前にすべき要素のこと。具体的に解説しますので、ホームページ制作の際は参考にしてください。
対応できる足場の種類
ひとことで「足場」と言っても、さまざまな種類があります。
よく使われる足場の種類
- 足場内の空間が広いため作業しやすく、抜け防止などの機能強化により安全性も高い「次世代足場」
- 組立てや解体が簡単で複雑な形状の建物にも対応可能。コストパフォーマンスにも優れる「くさび式足場(くさび緊結式足場・ビケ足場)」
- 軽くて強度が高く、組立てや解体も比較的簡単で多くの現場で使われる、最も一般的な足場「枠組み足場」
このように、足場の種類によって、組み立て方法や得意とする場面が異なります。もし、足場の種類について記載がなければ、「足場工事の仕事を探している場合」に仕事を依頼する側の業者は依頼がし辛くなります。また、「足場工事職人を探している場合」は、職人さんが対応できる足場がわからないため、応募をためらってしまう可能性があります。
せっかくのチャンスを棒に振るという機会損失が起こらないよう、対応できる足場の種類について、必ずホームページに記載するようにしましょう。
自社が足場工事を行える建物の規模
また、工事の規模や内容もさまざまです。
戸建て住宅やハイツなどの、一般住宅で行われる外壁塗装や防水工事には「外壁塗装」向けの足場工事対応。住宅リフォームの場合には「リフォーム工事」向けの足場工事対応などが必要になり、オフィスビルやマンション、ホテルなどの、建築現場向けの足場工事も存在します。さらに、発電所や空港、高速道路、トンネル、ダム、橋梁、護岸工事、解体工事などの、大規模な工事現場でも、仮設工事における足場工事は必要とされています。
よくある足場工事の種類
- 大規模でスペースが確保しやすい建築工事や橋梁工事などに用いられる「本足場」
- 躯体の周囲に支柱を一列に配置するため、敷地の狭い場所でも設置可能な「一側足場」
- 地上から足場を設置することができない場所で、上から吊って足場を設置する「吊り式足場」
対応可能な工事内容や足場の種類の記載がホームページになかったばかりに、自社では「本足場」のみ対応可能なのに、求められていたのは「一側足場」だった…なんて取り違えが起きてしまったら自社の信用問題にもかかわりますよね。
このように、さまざまな工事規模や工事種類が存在する「足場工事」ですが、一つの業者ですべ対応できるとは限りません。ホームページには、「対応可能な(または求める)足場工事の種類」について必ず掲載するようにしましょう。
また、作業をする業者や職人が「足場工事を行う際に心掛けていること」や「気をつけている点」についての記載があるとなお良いでしょう。
例として、住宅密集地での足場工事の設置時に近隣住宅のご迷惑とならないよう
「細心の注意を払う対応ができるか」
「作業員や現場の安全と動線を第一に考えて作業をしているか」
「関係同士で密にコミュニケーションを取り、確実で迅速な対応を行えるか」
など、お互いに事前に伝えておきたい・知っておきたい情報はたくさんあります。
仕事においては「依頼する側・作業する側、ともに安全で気持ち良い仕事ができるかどうか」が重要な部分となります。したがって、「自社が足場工事を行える建物の規模」や、「足場工事を行う際に心掛けていること」に関して、わかりやすくまとめてホームページに掲載することをおすすめします。
足場工事の施工実績
対応できる足場の種類や工事の規模がホームページに記載があったとしても、依頼側にとってはそれが事実かどうかがわかりません。そこで、施工実績の掲載が求められます。
施工事例がない状態であるなら企業として信頼性が足りず、受注の機会損失や、そもそもホームページ自体を見ることをやめてしまうことにもつながります。
施工事例は写真とともに、工事の規模や内容などをできる限り詳しく記載すること、依頼側がどのようなニーズを持っていて、それに対してどのように対応したかの記載ができればなお良いでしょう。「依頼側が望むクオリティや工事内容に対して、きちんと対応できる業者・職人である」ことのアピールになります。
その場にいない人にも、その足場工事の詳細が伝わるような施工事例が好ましいでしょう。
写真の撮り方
- 1箇所から撮影するのではなく、「足場全体の様子がわかるよう引き(遠い)のアングルで撮影した写真」と、「足場の様子がわかるよう、寄り(近い)で撮影した写真」があると、見る方は現場の状況が想像がしやすくなります。
- 着工前・足場写真の2枚(ビフォー・アフター)を掲載することにより、無駄な工程がないか・作業の丁寧さはどうかなど、依頼側が気になる点を伝えることができます。
また、動画を掲載することもおすすめです。
定点動画であれば、作業工程や内容が一目瞭然なため、仕事の様子を伝えるための有効な手段となります。
- 工事の規模や内容などをできる限り詳しく記載する
- 施工品質や施工時の様子がわかるような、写真や動画を掲載する
自社の信頼性を判断してもらうために、このような点に気をつけて施工事例を掲載しましょう。
足場工事における安全対策
足場工事は、常に危険ととなり合わせです。
その大きな理由として、工事現場や作業現場に設置される足場は、多くの場合高い場所にあることがあげられます。安全に作業を行うため、省令によって次のような安全対策の基準が定められています。
「足場からの転落事故を防止するための措置」
主な内容は「足場を組立てた後に、注文者の点検が必須」であることや、「足場や作業構台の組立て・一部解体・変更などを行った後には、事業者に加え、元請事業主などの注文者も足場を点検・修理すること」です。
- 「足場の作業床から墜落を防止する措置の充実が必要」
主な内容は、「墜落防止設備を取り外したあとには関係者以外の立入りを禁止する」ことや、「一時的に設備を取り外す必要性があった場合、その作業終了後はすぐ元に戻す」などです。
このように、足場から転落するリスクに対して、あらゆる角度から軽減できるような措置が求められるようになりました。
どれほど早く完工できようと、大規模な工事が可能であろうと、全ては「安全・安心」があってこそ成り立ちます。受注側も発注側も、ともにこれらの基準の尊守を怠らないかを確認することが、大変重要になるのです。
「足場工事の仕事がほしい場合」は、この措置や安全についての記載があると信頼性が向上します。「足場工事職人を探している場合」は、気になる企業のホームページに、措置や安全についての記載があるかどうかで優秀な人材が集まる可能性が高くなるでしょう。
技術力が伝わる足場ホームページ事例4選
ここからは参考にしたい足場ホームページ事例を写真と解説付きでご紹介します。
まずは、技術力やスピード力が求められる仕事に強い会社のホームページ事例を4つピックアップしてご紹介します。
1.株式会社 OGISHI
出典:株式会社 OGISHI
埼玉県三郷市にある「株式会社 OGISHI」さんのホームページです。
大きく表示される動画がインパクトがあり、ついつい見入ってしまいます。
動画では、現場ではたらく職人さんの真剣な様子が次々と映し出されます。
その姿から「最高の飛び職人の技能を」というキャッチコピーの通り、プロ意識をもってお仕事されていることが伝わってきます。
信頼性と誠実さが大いに伝わる、素晴らしいホームページであると言えるでしょう。
2.有限会社橋本組
出典:有限会社橋本組
三重県三重郡にある「有限会社橋本組」のホームページです。
デザインのポイントは、背景色の切り替わり線が「ななめ」に引かれていることです。
下に向かってななめに線を引いているため、「無意識のうちに読み進めてしまう」という視線誘導が発生しています。そのため、ユーザーにページ最後までしっかり読んでもらうことにつながります。
また「足場のホームページに載せるべき4つの要素」の項目でご紹介した要素がしっかりと掲載されています。「対応できる足場の種類」や「足場工事における安全対策」などにあたります。
これにより、仕事を探している業者や職人にとって、安心してパートナーシップを結べる企業であることが伝わります。
3.株式会社 善
出典:株式会社 善
足場の事例写真とともに企業メッセージが表示されます。
写真とメッセージは自動で切り替わるため、目を引かれてついつい見入ってしまいます。
トップページには「対応できる足場の種類」の記載はもちろんのこと、「対応可能な現場」や「足場に大切な 5つの要素」などの項目が掲載されています。自社でできることや、理念をしっかりと記載することにより、あらゆる工事に幅広く対応できる技術力があることのアピールとなっています。
「善さんにお願いすれば間違いない」という、説得力と信頼感が伝わるホームページであるといえるでしょう。
安全性を追求した足場ホームページ事例4選
続いて、安全性や丁寧さが求められる仕事が得意の会社のホームページ事例を4つピックアップしてご紹介します。
4.株式会社シンワ
出典:株式会社シンワ
秋田県秋田市にある「株式会社シンワ」さんのホームページです。
キャッチコピーに「安全」の文字が含まれており、安全性に対して思いがある企業ということが伺えます。トップ画像すぐ下に安全性についての話があり、安全のためにくさび型足場を専門としている理由もしっかりと記載されています。このような点から、キャッチコピーの通り、安全性に対して強いこだわりがある企業だということがわかります。
また、ページ上部に「足場事例」を掲載しています。ページ上部はユーザーの目に止まりやすい場所のため、ホームページ制作においては、多くのユーザーに見てほしいコンテンツを配置すると良いでしょう。
5.株式会社栄建
出典:株式会社 栄建
愛知県名古屋市にある「株式会社 栄建」さんのホームページです。
栄建さんも、トップページ上部で自社の理念について紹介しています。
その中に安全についての記載があるため、安全性についてしっかり考えがある企業ということが伝わります。「対応できる足場の種類」と「自社が足場工事を行える建物の規模」について記載があり、非常に信頼性の高いページとなっています。
また「新着情報」にて、足場工事に関するコラムが掲載されています。足場工事を行う企業が発信することで、専門性の高いコラムを生み出すことができるため、ユーザーに権威性を伝えることができます。
その結果、ユーザーに足場工事のプロフェッショナルであることや、信頼できる企業ということのアピールとなり、問い合わせや受注件数アップの効果が期待できます。
6.アートビルダー株式会社
出典:アートビルダー株式会社
埼玉県幸手市にある「アートビルダー株式会社」さんのホームページです。
アートビルダーさんの特徴は「働く人」の紹介を重視している点です。トップ画面に表示される画像から始まり、トップページ、コンテンツページ各所に、働く人の写真が掲載されています。企業で働く人の様子がわかると、ユーザーも安心して問い合わせができます。
また「建設業界に興味を持っていない若者に興味を持ってもらうためのホームページを制作」について、アートビルダーさんの採用ページが大変に参考になります。お手本にしたいポイントは、建築業界に接点がない人が見ても興味をもてる表現や内容が盛り込まれている上、安心・安全に働くための施策もしっかりと記載されている点です。
自社ホームページに採用ページの掲載を検討している方は、ぜひ参考にされるとよいでしょう。
7.有限会社 BF サービス
出典:有限会社BFサービス
千葉県市原市にある「有限会社BFサービス」さんのホームページです。
もっとも大きな特徴は「動き」が取り入れられている点です。
ページ内には、トップ写真が自動でズームアウトされ、文字がふわっと浮かび上がるなどの「動き」が多用されています。このように「動き」があることでユーザーの目を飽きさせないため、ページを最後までしっかりと見てもらう効果が期待できます。
また、トップに表示されるキャッチコピーから始まり、トップページには複数回「安全」という単語と、それに対する説明が記載されています。キーワードをくりかえし表示することにより、ユーザーに「安全を大切にする企業」という印象を与えることができます。
求人がメインの足場ホームページ事例4選
最後に、求人をメインとしているホームページの事例を4つピックアップしてご紹介します。
職人不足にお悩みの場合はぜひ参考にしてください。
8.エヌ・ステージング株式会社
和歌山県和歌山市にある「エヌ・ステージング株式会社」さんのホームページです。
大きな特徴として「足場の施工事例写真の掲載数が豊富」であることがあげられます。
施工事例から、その企業が普段どのような仕事をしているのかが伝わるため、求職者にとっては大いに参考になります。
また、「求人専用ダイヤル」の表示がある点もポイント。求人応募までの導線が明確かつ簡単なため、問い合わせのハードルが下がるでしょう。このように、応募方法が簡単である方が、求職者が問い合わせをしやすくなるといえます。
9.株式会社 柊栄
出典:株式会社 柊栄
大阪府茨木市にある「株式会社 柊栄」さんのホームページです。
トップページ上部に求人の話を掲載しており、多くのユーザーの目にとまる場所のため、「求人をしている」ことの認知度向上が期待できます。
また、求職者目線でページを見た時に、求職者が知りたい情報がしっかりと掲載されている点もポイント。それは、待遇や仕事内容などの基本的な求人情報だけではなく、職人が作業をする様子の写真や、実際の作業の流れの解説、仕事の精度が伝わる納品事例などです。
このように、企業の表面的な部分だけではなく、実際の様子や雰囲気が伝わることで、求職者は自分の身に置き換えて「この企業で働く自分」を想像しやすくなります。
10.エイチ・エス株式会社
出典:エイチ・エス株式会社
群馬県伊勢崎市にある「エイチ・エス株式会社」さんのホームページです。
ページの特徴は、ページが左右に分割された「2カラム」という構成である点です。
左側にメニュー、右側にページ内容が表示されます。
箇所ごとの役割が明確なため、わかりやすく・読みやすいページに仕上がっています。
性別年齢関係なく、多くのユーザーから好まれるデザインであるといえるでしょう。
また、求人に関する問い合わせが「LINE」でできることもポイントです。
問い合わせが簡単にできることで、求職者が気軽に応募しやすくなります。
11.田村興業
出典:田村興業
大阪府大阪市にある「田村興業」さんのホームページです。
テーマカラーの鮮やかな青が印象的なページです。
青の色効果には「誠実さ・信頼・清潔感」などがあるため、ページを見ている人にこのような印象を与えることができるのです。クライアントや利用者からの信頼を大切にする、足場業者にとってぴったりのテーマカラーであるといえるでしょう。
画面の右側に表示される、お問い合わせフォームもポイントです。
このお問い合わせフォームは、ページをスクロールすると付随します。
常にユーザーの視界に入るため印象に残るうえ、気になった時にすぐに問い合わせができるため、問い合わせ数アップの効果が見込めるでしょう。
まとめ
今回は、足場のホームページに載せるべき4つの要素や、お手本にしたい「足場ホームページ事例」を11選ご紹介しました。
ホームページのデザインは、自社の強みや特徴、ターゲットによって変わるため、解説したポイントを押さえながらすてきなホームページを制作してください。