ホームページ作成費用の勘定科目は?正しい仕分け方法を徹底解説!

ホームページ作成費用の勘定科目は?正しい仕分け方法を徹底解説!
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ホームページ作成の会計処理にあたって、このようなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

ホームページ作成時における、正しい勘定科目とは?

仕分けをするうえでの事例が知りたい

ホームページ作成時の一般的な処理方法は?

この記事では、ホームページにかかる費用の勘定科目「広告宣伝費」「固定資産」の概要や仕訳の方法を徹底解説!

ホームページ作成費用の計上方法が知りたい」と考える中小企業の経理担当者やWeb担当者の方をはじめ、個人事業主やフリーランスの方は必見です!補助金に関する情報も掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

ホームページ作成の勘定科目は何になる?

ホームページ作成の勘定科目は何になる?

勘定科目とは何にお金を使ったのか、なぜ入金があったのかを表す種類のこと。

法人・個人事業者を問わず、勘定科目によってお金の流れを分類して記録し、最終的に決算書(貸借対照表・損益計算書)にまとめる必要があります。

ホームページ作成費用の勘定科目は、主に「広告宣伝費」「固定資産」の2通りとなります。

ホームページ作成の勘定科目の多くは「広告宣伝費」ですが、近年ではホームページの役割が単なる宣伝(PR)ではなくなり、多様化しています。このことから、広告宣伝費だけでは処理できないケースも。

PR目的(コーポレートサイトなど)のホームページ作成費用は「広告宣伝費」になりますが、受注システムやショッピング機能などソフトウェアが入っているもの(ECサイトなど)は「固定資産」に該当する可能性があります。

そこで、まずは代表的な2項目「広告宣伝費」「固定資産」の概要をまとめました。

それぞれどのようなものが含まれるのかを確認しておきましょう。

PR目的の場合は広告宣伝費

広告宣伝費とは“一般消費者へ向けて、自社の商品やサービスなどを幅広く宣伝するために必要な費用”のこと。

具体例として、以下のようなものが挙げられます。

  • インターネット広告
  • テレビCM
  • チラシ、ポスター
  • DM
  • 看板

そして、広告宣伝費として処理できる対象は、あくまでも一般消費者のみ。対象が関連業者などに特定されている場合、接待交際費として計上することになるので注意しましょう。

企業や店舗のホームページを外注したときに生じた費用は「広告宣伝費」に該当します。

なぜなら、自社の商品・サービスなどの広告が目的だと判断できるためです。

ソフトウェアが入っている場合は固定資産

固定資産とは、以下のようなものを指します。

  • 会社が長期にわたって保有しているもの
  • 1年を超えて現金化、費用化される資産

そのなかから

  • 有形固定資産(土地や建物など)
  • 無形固定資産(特許権など)
  • 投資その他の資産(投資有価証券など)

に分類されます。

つまり、目に見えるものだけではなく、特許権や営業権利(のれん)、ソフトウェアといった“目に見えないものも資産として処理できる”ということです。

そして、無形固定資産として計上したあとは、下記いずれかにさらに分類を行い、処理を進めていきましょう。

  • 減価償却資産:時間が経過した分だけ価値が減少してしまう固定資産(建物や機械設備など)
  • 非減価償却資産:「減価償却資産」の条件に当てはまらない固定資産(土地・借地権・書画骨董など)

ホームページを減価償却資産にしたい場合は、ソフトウェアを含む高度な機能を搭載しなければなりません。こちらの詳細については、のちほど詳しく説明していきます。

ホームページ作成の勘定科目の仕訳例

ホームページ作成の勘定科目の仕訳例

ホームページを作成する際の「広告宣伝費」と「固定資産」の仕訳には、それぞれどのようなケースがあるのでしょうか。

両方に該当するケースまで詳しくご紹介していきます。

広告宣伝費に該当するケース

ホームページ制作費用のほとんどは、「広告宣伝費」で処理すれば間違いありません。

しかし、「1年以内の更新がない場合は、ホームページ作成費用を広告宣伝費として処理できない」という決まりがあります。1年以上更新しなかった場合は、広告宣伝費でも固定資産でもなく「繰延資産」となるので注意してください。

そのため、ホームページを広告宣伝費として計上したいのであれば、1年に1回でも良いのでサイトの中身を追加・更新していきましょう。

また、ホームページ制作費用をすべて「広告宣伝費」で処理するケースと、ソフトウェア部分と分けて次のように細分化して処理するケースがあります。

  • ホームページ作成時の費用(※広告目的限定)
  • コンテンツ制作費用
  • SEO対策費用
  • お問い合わせ・資料請求フォームなどの簡易CGI

このように細分化して処理するケースでは、ソフトウェアにあたる勘定科目は「広告宣伝費」ではなく「固定資産」に該当します。

固定資産に該当するケース

ホームページ作成時に固定資産に該当するケースとしては、ソフトウェア(=無形固定資産)があるかどうか。

例としては、ショッピングなどを備えたECサイトなどが挙げられます。

ソフトウェアにあたるものを一覧でまとめました。

  • 商品検索機能
  • オンラインショッピング機能
  • 予約、会員システム
  • 動画機能
  • ゲーム機能

そのため、ECサイトなどを制作した費用、「SNS」「ネットショップ」「オンラインサロン」といったプログラムを搭載したホームページを作成した場合の費用は、無形固定資産に該当するケースが多いです。

また、金額によって定められた年数に従って、減価償却することもできます。

広告宣伝費・固定資産の両方に該当するケース

ホームページ作成時に、広告宣伝費・固定資産に両方に該当するケースもあります。

それが「動画制作費用」「ロゴマークのデザイン費用」です。

条件について、以下のようなものが挙げられます。

動画制作費用の場合
  • 広告宣伝費に分類される条件:動画制作費用20万円以下、使用期間1年未満
  • 固定資産に分類される条件:動画制作費用20万円以上、使用期間1年以上
ロゴマークのデザイン費用の場合
  • 広告宣伝費に分類される条件:商標登録なし、制作費用が20万円以下の場合
  • 固定資産に分類される条件:商標登録あり、固定資産として10年で減価償却

このように、動画制作費用・ロゴマークのデザイン費用に関しては、条件によって「広告宣伝費」「固定資産」と該当するものが変わります。

ホームページ作成の勘定科目は原則「広告宣伝費」

ホームページ作成の勘定科目は原則「広告宣伝費」

これまでに多くのことを説明してきましたが、ホームページ作成費用は原則「広告宣伝費」として処理可能です。

それには、次のような理由があります。

  • 自社商品・サービスをPRする目的で制作されることが多い
  • サイトの内容を頻繁に更新しないと、集客向上につながらないため

企業のホームページ=「パソコン画面上での会社案内・カタログ」と捉えるとわかりやすいでしょう。

また、固定資産として計上するかの判断基準は以下の通りです。

  • 単なる電子カタログの制作費用なのか
  • プログラムの制作費用なのか
  • 効果が1年以上に及ぶのかそうでないか

自身で作成したホームページが「広告宣伝費」「固定資産」のどちらに該当するか、適切に判断したうえで処理を進めましょう。

ホームページ作成のその他費用の勘定科目とは?

ホームページ作成のその他費用の勘定科目とは?

ホームページ作成に関連するその他費用には以下のものがあります。

  • サーバー費用
  • ドメイン費用
  • SSL証明書取得費用
  • 運用保守費用

ここからは、その他費用の勘定科目について詳しく解説していきます。

サーバー費用

サーバーとは“ホームページなどのWebサイト、サービスを提供している企業などが使用するIT機器”のこと。

「自社で購入するケース」「レンタルするケース」、どのような形にしてもこれらを用意するときに生じる費用を指します。

基本的には「広告宣伝費」として計上して問題ありませんが、電話やインターネット使用料と同じく「通信費」としても処理可能です。

ドメイン費用

インターネット上の住所(https://~…)を指す、ドメイン。

会社名などが入ったわかりやすいものを取得したい場合は、ドメインを扱う管理会社から購入し、年間契約で利用料を支払うのがおすすめです。

ドメインを取得する際に生じる費用として、「必ずこの勘定科目を使用しなければならない」といった決まりはありません。

  • 通信費
  • 広告宣伝費
  • 支払手数料

上記3つのいずれかで計上すればOKです。

ただし「この勘定科目を使用する」と決めたら、途中で変更しないように注意しましょう。

SSL証明書取得費用

SSL(Secure Sockets Layer)とは、“サイトを閲覧しているユーザーが入力した内容を暗号化した後、データを送信する仕組み”のこと。個人情報やクレジットカードなどの信用情報の漏洩を防ぐ役割を担っています。

勘定科目については、「通信費」「固定資産」での計上が一般的です。

また、詳細な条件を以下にまとめています。

  • 通信費として計上できる条件:生じた費用が少額だった場合
  • 固定資産として計上できる条件:生じた費用が高額だった場合
    (※資産計上をした後に、減価償却することも可能)

SSL証明書取得費用についても、条件に合わせて適宜処理を行っていきましょう。

運用保守費用

ホームページは作成して終わりというわけではありません。集客率UPにつなげるためには、古くなった情報は削除したり、新しい情報が入り次第迅速に更新したりすることが大切です。

そのため、「コンテンツの更新作業」「サーバーのメンテナンス」などは欠かせません。

このように“ホームページの運用や管理にかかるもの”を運用保守費用と言います。

これらは、広告宣伝費として処理する場合がほとんどです。

ホームページ作成には補助金を活用!

ホームページ作成には補助金を活用!

これまでに、ホームページ作成の勘定科目を解説してきました。

最後にホームページ作成時に活用できる補助金に関する情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

  • 小規模事業者持続化補助金
  • IT導入補助金
  • 地方自治体のホームページ作成費用補助金

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、中小企業庁・日本商工会議所によって運営されている補助金制度のこと。

中小企業やスタートアップ、および個人事業主などの小規模事業者に対する継続的な事業発展をサポートしています。

補助額は必要経費の3分の2、最大50万円までとなっており、補助の対象となる経費は以下の通りです。

  • ソフトウェア導入に伴う機械装置費用
  • イベント開催時における会場の借料
  • 店舗改装にあたって生じる工事費用

ホームページ作成費用の場合は、“販促のための広報費”として給付申請できます。

  • 商業・サービス業
  • 宿泊業・娯楽業
  • 製造業
  • その他(土木業・運送業など)

また、上記4つの業種が対象となっており、あくまでも“営利活動を目的に事業を展開している人のために補助金を支給している”点が特徴です。加えて、「常時雇用の従業員が5名以下」など、事業規模による制限が設けられています。

IT導入補助金

IT導入補助金とは経済産業省の管理下において、一般社団法人サービスデザイン推進協議会が運営する補助金制度です。その名前通り、ITを活用した企業に対する業務効率化や利益向上を目的としています。

補助額は最大450万円までとなっており、補助の対象となる経費は以下の通りです。

ホームページ制作費用

クラウドツール・業務用ソフトウェアの導入にかかる費用の一部

このように、補助対象となる経費は「ソフトウェア費」「導入関連費」に該当するものとなります。

業種資本金常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業/情報サービス業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業は除く)5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下
旅館業5,000万円以下200人以下
その他業種3億円以下300人以下
医療法人、社会福祉法人、学校法人300人以下
出典:補助金バンク

上記のような業種が対象となっており、申請内容によって「A類型、B類型、C類型」の3種類に分類されます。

A~C型によって、給付される金額が変動するため、計上する際には注意しましょう。

地方自治体のホームページ作成費用補助金

地方自治体が独自にホームページ作成費用を補助しているケースもあります。

しかし、上記の小規模事業者持続化補助金や、IT導入補助金を含む各自治体による補助金は併用できないため注意しましょう。

補助額についても、地域によってバラつきがあります。

実施している自治体は以下の通り。

  • 東京都:中央区、葛飾区、江戸川区、江東区など
  • 愛知県:全域
  • 大阪府:吹田市、泉北郡忠岡町
  • 兵庫県:全域
  • 岡山県:赤磐市
  • 広島県:三原市
  • 長崎県:全域

地方自治体の補助金・助成金は、事業計画書や運営計画書の作成をしなくても申請できる場合も。

そのため、気軽に利用しやすい点がメリットだと言えるでしょう。

まとめ

この記事では、ホームページ作成費用の勘定科目や正しい仕訳の方法について徹底解説しました。

PR目的のホームページ作成費用は「広告宣伝費」、受注システムやショッピング機能などが入っているものは「固定資産」として計上しましょう。また、1年以上更新がないものは「繰越資産」、広告宣伝費とソフトウェア部分が区別できるものは細分化して仕訳処理を行ってください。

ホームページの特徴によって勘定科目・処理方法は異なるため、その都度適切なものを選択してきましょう!

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