ローコードとノーコードの違いは?ツールの選び方とおすすめも紹介

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ローコード・ノーコードとは、アプリケーションやソフトウェアなどを開発するために使用される手法のことです。

DX化(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、開発手法の多様化などを受け、ローコード・ノーコードが注目を集めています。

一方で、

ローコード・ノーコードってそもそも何なの?

便利そうだけど欠点ってあるの?

どのツールを選ぶべきなの?

と不安に思っている方が多いのではないでしょうか。

本記事では、ローコードとノーコードの違いや選定するときのポイント、メリットとデメリットを解説します。おすすめのローコード・ノーコードツールも紹介していきますので、自社での導入の際に役立ててみてくださいね。

目次

ローコードとノーコードの違いは「コーディングが必要かどうか」

ローコードとノーコードの違いは「コーディングが必要かどうか」

ローコードとノーコードの特徴を踏まえると、両者の一番の違いは「コーディングが必要かどうか」です。

ローコードでは、システムの構築にGUIによる操作だけでなく、部分的にソースコードを記述する必要が出てきます。一方で、ノーコードではシステムの構築にコーディングを必要としないため、基本的にはGUIを操作するだけで開発できます。

ローコードとは?

ローコード(Low Code)とは、必要最低限のソースコードを記述するだけで、アプリケーションを作成できる手法です。

ローコードツールでは、画面上で操作するGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)と、部分的なソースコードの記述によりシステムを構築します。

ノーコードとは?

ノーコード(No Code)とは、アプリケーションやソフトウェアの開発で、ソースコードの記述を一切必要としない手法です。

ノーコードツールも、ローコードと同様にGUIを用いてシステムを構築します。しかし、コーディングが不要であるため、ローコードよりさらに直感的に開発ができるといえます。

ローコードのメリット・デメリット

ローコードのメリット・デメリット

ローコードでシステムを開発することのメリットとデメリットを紹介していきます。

ローコードの4つのメリット

ローコードで開発を行うメリットを4つ紹介します。

  1. 高度なプログラミングスキルがいらない
  2. コードの記述ミスが少ない
  3. ユーザーが開発に関われる
  4. 開発期間とコストが削減できる

1.高度なプログラミングスキルがいらない

ローコードでは、GUIを用いて直感的にシステムを構築でき、ソースコードの記述も少ないため、開発に高度なプログラミングスキルが不要であるというメリットがあります。

もちろん、細かい調整などでソースコードの記述が必要となりますが、0からシステムを構築するよりは開発のハードルが低いといえるでしょう。

2.コードの記述ミスが少ない

前述の通り、ローコードでは実際にソースコードを記述することが少ないため、コードの記述ミスを防げます。

記述ミスをする箇所が少なければデバッグ作業の時間を削減できるため、記述ミスが起こる可能性が少ないことは大きなメリットです。

3.ユーザーが開発に関われる

開発のハードルが低いため、システムの構築を依頼するユーザー自身も開発に関わることが可能です。

ユーザーも開発に関わることで、要件定義のヒアリングを簡略化したり、よりユーザーの要求に基づく開発をしやすくなったりします

4.開発期間とコストが削減できる

ローコードでは、あらかじめ完成されているパーツを組み合わせることでシステムを構築できるため、作業工程を簡略化し、開発期間を短縮できます。

また、作業工程や開発期間を減らすことで工数を削減でき、別の開発に人員を割くことが可能です。

ローコードの2つのデメリット

一方で、ローコードで開発を行うデメリットもあります。

  1. ある程度のプログラミングの知識が求められる
  2. できることが少ない

1.ある程度のプログラミングの知識が求められる

開発に携わるハードルが低いローコードですが、細かい調整はどうしてもソースコードで記述を行わなければならないため、ある程度のプログラミングの知識が必要です。

GUIのみの実装では限界があるため、プログラミング知識が無い人だけでは開発ができなくなる可能性があります。

2.できることが少ない

ローコード開発は、コーディングによる従来の開発と比べ、実装の自由度が低くなってしまう傾向があります。

複雑なシステムを構築したい場合は、ローコードだけではなく1からコーディングすることも検討しましょう。

ローコードツールの主な機能

ローコードツールの主な機能

ツールによって違いはありますが、ローコードツールの主な機能は下記の4つです。

  1. ドラッグ&ドロップを利用した「ローコード開発」
  2. 業務に適したフォームを作成できる「ワークフロー」
  3. 短時間で開発ができる「業務テンプレート」
  4. 外部システムを用いた「他システムとの連携」

特に、業務の一部を簡略化するためのシステムを構築することに向いています。

ノーコードのメリットとデメリット

ノーコードのメリットとデメリット

次に、ノーコードでシステムを開発することのメリットとデメリットを紹介していきます。

ローコードと共通する部分が多いため、ここではノーコードならではのメリットとデメリットを解説します。

ノーコードの2つのメリット

ノーコードで開発を行うメリットを2つ紹介します。

  • コーディングの知識がいらない
  • 記述ミスがないため短期間でリリースできる

1.コーディングの知識がいらない

ノーコードではコーディングの必要がないため、ツールの使い方さえわかれば非エンジニアでも開発が可能です。経験やスキルが浅い人でも開発に携われるため、より効率的な人材をアサインできます。

2.記述ミスがないため短期間でリリースできる

ノーコードでは記述ミスをする危険性がないため、バグやエラーの可能性が大きく下がることがメリットです。また、既存システムのまとまりを組み合わせることで開発を行うため、エラーが出ても原因の特定がしやすいメリットもあります。

ノーコードの2つのデメリット

一方で、ノーコードで開発を行うデメリットも紹介します。

  • 大規模開発に向かない
  • プラットフォームへの依存性が高い

1.大規模開発に向かない

コーディングの必要がないことはメリットの一つですが、一方で柔軟な開発が難しいというデメリットにもなります。

ノーコード開発では、あらかじめ決められた機能しか実装できず、限られた範囲でしか開発が行えないため、複雑な機能が求められる大規模な開発には向いていません

2.プラットフォームへの依存性が高い

ノーコードツールは、開発に使用したプラットフォームの値上げやサービス停止の影響を受けやすいです。

特にプラットフォームがサービス停止すると、開発したサービスも使えなくなる場合があるため、ノーコードツールで開発する際のリスクも把握しておきましょう。

ノーコードツールの機能

ノーコードツールの機能

あくまでも一例ですが、ノーコードツールの主な機能は下記の通りです。

  • WebサイトやECサイトの構築
  • 簡単なプロダクト、アプリケーションの開発

コーディングによる細かい調整が難しいものの、ツールによっては本格的なシステムの構築も可能です。

ローコード・ノーコードツールを使用すべき3つのケース

ローコード・ノーコードツールを使用すべき3つのケース

ローコードとノーコードのメリット・デメリットを紹介してきました。この章では、メリット・デメリットを踏まえて、ローコード・ノーコードツールを使用すべきケースを3つ紹介します。

  1. 小規模の開発をするとき
  2. なるべく早く実装したいとき
  3. IT人材が確保できないとき

具体例を参考に自社での業務に活用してくださいね。

ケース1.小規模の開発をするとき

ローコードはコーディングにより多少の調整は可能ですが、やはり従来の開発手法ほど拡張性がなく、複雑なシステムの開発には向いていません。

ローコード・ノーコードツールは、小規模システムの開発に使用すべきです。ローコードとノーコードは、各業務の自動化や業務フローのアプリケーションなどで活かすことをおすすめします。

ケース2.なるべく早く実装したいとき

ローコードとノーコードは1からコーディングする必要がないため、従来の開発手法よりも開発期間を早められます

新規事業の立ち上げなどで早急に業務システムを開発したいという方には、ローコード・ノーコードツールが適しているといえるでしょう。

ケース3.IT人材が確保できないとき

ローコード・ノーコードツールはシンプルな手順でシステムを構築できるため、企業にIT人材がいない場合でも、アプリケーションなどの開発が可能です。

なお、ツールによっては使い方が難しく、習得に時間がかかったり、別途教育や学習が必要になったりする可能性があります。

ローコードとノーコードが求められる理由は?

ローコードとノーコードが求められる理由は?

ローコードやノーコードが、現代社会が抱える問題を解決するためのツールとして注目を集めていることをご存知でしょうか。なぜ、ローコードとノーコードが注目されるようになったのか、3つのポイントから解説していきます。

DXが推進されているから

現代の日本では、AIやIoTなどを活用して業務を改善していく「DX」が推進されてきています。しかしながら、日本ではITの遅れや労働生産性の低下が指摘されていることもあり、日本企業各社のDXによる生産性の向上が急務となっています。

そこで、エンジニアを持たない企業でもITシステムの構築ができるローコードとノーコードが注目され始めたのです。

IT人材が不足しているから

日本では、労働人口がIT需要の高まりや構造変化に対応できておらず、結果IT人材の不足が深刻化してきています。また、エンジニアの育成には多大な費用がかかることも、IT人材不足の原因の一つです。

そのため、経験が浅いエンジニアでも使えるローコードとノーコードはIT人材が不足している企業を中心に重宝され始めています。

内製化の動きが高まっているから

外部に委託していた業務を社内で対応する「内製化」の動きが活発になっていることも理由の一つです。内製化は、外部への委託コストの削減やセキュリティリスクの低減などが期待できる反面、ITシステムに対応できる人員が必要な点が課題でした。

そこで、高度な専門知識を必要としないローコード・ノーコードツールを活用し、外部に委託していた業務を社内のリソースで賄うことが期待されます。

ローコード・ノーコードツール選定時の4つのポイント

ローコード・ノーコードツール選定時の4つのポイント

ローコード・ノーコードツールを選ぶ際のポイントは次の4つです。

  1. ツールの導入目的を明確にする
  2. ツールの機能を確認する
  3. ツール導入時の注意点を把握する
  4. 開発・運用コストを考慮する

それぞれ詳しく解説していきます。

1.ツールの導入目的を明確にする

ローコード・ノーコードツールの導入の際には、まず導入する目的を明確にしましょう。具体的には、「承認手続きを簡略化したい」「会社で使うアプリを作りたい」といったことです。

導入目的を洗い出すことで、開発にどのような機能が必要かを把握できます。

2.ツールの機能を確認する

これまでに紹介してきた通り、ローコード・ノーコードツールで実装できるシステムは限られています。そのため、抱えている問題をツールの機能で解決できるかどうかの確認が重要です。

ツールの導入目的と合わせて、開発できる領域を把握しておくと良いでしょう。

3.ツール導入時の注意点を把握する

ツールの開発領域も含め、すでに使用しているシステムと連携できるか、自社のセキュリティポリシーに準拠しているか、サポート体勢が十分かなどをあらかじめ把握することをおすすめします。

また、スマートフォンの使用を前提とするシステムの場合、モバイルデバイスに対応しているかも確認しておきましょう。

4.開発・運用コストを考慮する

開発コストは安いに越したことはありませんが、あまりコストを抑えすぎるとカスタマイズ性が低いなどの理由で、求めている機能を実装しきれなくなる可能性があります。また、開発後の運用や保守のコストも考慮しなければなりません。

高ければ良いというわけでもないため、料金体系と機能面が自社にとって適切かを調べておきましょう。

ローコード・ノーコードツールのおすすめ5選

ローコード・ノーコードツールのおすすめ5選

ツールの選定ポイントを押さえたら、実際にツールを探してみましょう。ここでは、おすすめのローコード・ノーコードツールを5つ紹介していきます。

  1. Microsoft Power Apps
  2. Salesforce Customer 360
  3. Pleasanter
  4. kintone
  5. Click

プランや料金、特徴をまとめたので、ぜひ参考にしてください。

1.Microsoft Power Apps

プラン・料金開発者向けプラン:無料(試用版)Power Apps Premium:月額2,998円(税抜)
特徴ライセンスを持つユーザーであれば、組織内でシステムの共有が簡単
公式サイトhttps://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform/products/power-apps

Power Appsは、Microsoft社が提供するPower Platformというクラウドサービスに含まれるツールです。試用版であれば無料で30日間利用できます。また、Microsoft 365やMicrosoft Dynamics 365のライセンスを所持していれば、ブラウザからアプリケーションの作成が可能です。

2.Salesforce Customer 360

プラン・料金Essentials:月額3,000円(税抜)Professional:月額9,000円(税抜)Enterprise:月額18,000円(税抜)Unlimited:月額36,000円(税抜)
特徴クラウドタイプであるため、サーバーが不要
公式サイトhttps://www.salesforce.com/jp/products/

Salesforce Customer 360は、開発システムがパッケージ化されているローコード・ノーコードツールです。利用できるユーザー数や、カスタマイズできる範囲によって、4つのプランに分かれています。

独自のセキュリティ対策も講じられているため、システム開発後も安心して運用が可能です。また、30日間無料でお試し利用ができ、登録に支払い情報やソフトのインストールが不要であるため、気軽に始められます。

3.Pleasanter

プラン・料金フリープラン:無料ライトプラン:月額1,000円(税抜)スタンダードプラン:要見積
特徴小規模開発であれば格安で使用可能
公式サイトhttps://www.pleasanter.org/

Pleasanterは、3ユーザーまでの小規模開発であれば完全無料で使えるローコード・ノーコードツールです。マウス操作で手軽にシステムを構築でき、ガントチャートやダッシュボードといった業務用アプリケーションの作成に役立つテンプレートが豊富です。なお、有償オプションでコーディングが可能となり、より細かい調整もできるようになります。

4.kintone

プラン・料金ライトコース:月額780円(税抜)スタンダードコース:月額1,500円(税抜)
特徴作成できる業務用アプリケーションが豊富
公式サイトhttps://kintone.cybozu.co.jp/

kintoneは、業務用アプリケーションに特化したテンプレートを数多く揃えています。なかでも、業務日報や顧客情報、タスク管理といった社内のあらゆる情報をデータベース化できる点が大きな特徴です。

また、不動産業の物件管理や製造業の在庫管理など、多くの業種に合わせたパッケージが展開されているため、業種を問わずおすすめのツールといえます。

5.Click

プラン・料金Free:無料Standard:月額4,980円(税込)Pro:月額21,780円(税込)
特徴日本語でサポートされており、利用しやすい
公式サイトhttps://click.dev/

Clickは、実際のプロダクト開発にも利用できる、汎用型ノーコードツールです。検索やマップ、カート機能など、Webサイトにあると便利な機能が充実しているため、本格的なWebサイトを簡単に作れます。

また、Clickで作成したプロダクトには決済機能を付与できるため、収益化を目的としたWebサイトを作成することも可能です。

まとめ

ローコードとノーコードを使用することで、専門知識がなくてもシステムを構築できます。両者の大きな違いは、「コーディングが必要かどうか」です。ローコードではコーディングが必要である分、柔軟な開発ができます。一方、ノーコードでは実装できる機能が制限されますが、高度なプログラミング知識が不要です。

導入のハードルが低いローコードとノーコードは、システムを構築したいのにIT人材が少ない、DXや内製化を推進したいなどと考えている企業におすすめなツールであるといえます。

ローコード・ノーコードツールを選ぶときのポイントは次の4つです。

  1. ツールの導入目的を明確にする
  2. ツールの機能を確認する
  3. ツール導入時の注意点を把握する
  4. 開発・運用コストを考慮する

無駄のないツール選定をするためにも、導入前に目的や機能などを把握しておくようにしましょう。本記事がローコード・ノーコードツール選定の一助になれば幸いです。

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